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- 子どもの商業的性的搾取(CSEC)の問題について
子どもの商業的性的搾取(CSEC)の問題について
- 子どもの商業的性的搾取とは?
- 第1回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議(1996年)・ストックホルムの宣言及び行動アジェンダでは、次のように定義しています。子どもの商業的性的搾取は子どもの権利に対する根本的な侵害です。それは大人による性的虐待と、そして子ども、もしくは対する現金または現物による報酬提供によって構成されます。子どもは性的な対象物として売り買いする物品として扱われます。子ども商業的性的搾取は子どもに対する強制及び暴力の一形態で、強制労働や奴隷制の現代的な形と言えます。
- 子ども買春とは?
- 子どもを金銭的その他のかたちによる報酬の伴う性的行為に用いることです。(子どもの権利条約選択議定書より)フィリピンの子ども買春は70年代、80年代、オロンガポ湾の米軍駐留とともに盛んに行われました。基地は短期間で閉鎖されたが、軍事訓練や休暇のため再開されました。これに加え、軍関係者がたとえフィリピン内で罪を犯しても、その起訴から免れるという免責特権をかれらに与える協定がかわされました。これは特別のケースではありません。1990年代の国連カンボジア暫定統治機関(UNTAC)の派遣により子どもの買春が増加し、モザンビークでは1992年に国連モザンビーク活動(UNOMOZ)の兵士たちが12歳から18歳の少女達に売春させていました。
ごく最近の例では、コソボのNATO軍の駐留地域にバーやナイトクラブが増加し、16歳の若さの少女たちが監禁され、兵隊やビジネスマンにサービスを強制されていたことがあげられます。
紛争地域の子どもの性的搾取に関する国連のレポートによれば、12カ国中6カ国で平和維持軍の駐留が子どもの売春の急増と関係していると報告されています。
- 子ども買春観光とは?
- 旅行者が、多くは開発途上国を訪れ、そこで子どもと性的行為を持つことを言います。これは子どもの商業的性的搾取の一例です。コスタリカには1999年だけで子ども買春の目的で5000人の旅行者が訪れたと推定され、子ども買春観光に関係する逮捕者の80%がアメリカ人でした。政府は資金不足、スタッフ不足など、この問題への対応の遅れを非難されています。しかし最近になり、子ども買春観光委員会を通じ警官を再訓練し、行動規範を改正し、空港近くの看板や税関職員によるビラ配布など、子どもを買春から守る運動を開始しました。
- 「早期婚」とは?
- 「早期婚」とは18才未満の結婚を言います。一部の国では、子どもの結婚は宗教上の風習に結びついています。しかし、それは子どもの買春を薄いベ-ルで覆い隠しただけです。インドでは、”デバーダーシ”として知られる少女は、神が家族に祝福と幸運を授けると期待して、ヒンドゥ-教の神や寺院に捧げられ又は結婚させられています。”デバーダーシ”は僧侶や社会的身分の高い人に性的奉仕をするよう要求されています。多数の少女が結局は都会の売春宿に売られると伝えられています。同じような習慣は西ネパ-ルでもみられ、少女は”デューキ”として知られている。現在インドではこの慣習は法で禁じられています。
- 子どもポルノとは?
- 手段を問わず、主として性的目的のために、実際の又は仮想の露骨な性行為を行う子どもや、子どもの性的部位を描写したものを言います。( 子どもの権利条約選択議定書より)
- 子どもの人身売買とは?
- 人身売買の定義に関して国際的コンセンサスはありませんが、子どもの売買、買春、ポルノに関する国連人権委員会特別報告官は、下記の定義を述べています。”人身売買は、国内、あるいは国境を超えて、人を虐待し搾取して強制売春や奴隷的行為に従事させるため、あるいは殴打その他の過酷な取扱いを伴う重労働、家事労働に従事させるために、うそや強制や暴力、あるいは借金の形や詐欺行為をもって、人を募ったり移送したりすることに関係したすべての行為を言います。”
- 子どもとは誰のことですか?
- 「国連子どもの権利条約」第一条によれば、「子ども」は、18歳未満の人のことです。
- 犠牲になっている子どもはどれぐらいでしょうか?
- 現在、世界で商業的性的に搾取されている子どもの被害者数を調べるための信頼できる方法が無く、正直なところ、わかりません。この問題に関わっている多くの個人や団体と同様に、ECPATも、搾取された子どもが一人でもいれば、それは重大で深刻な事と考えています。
- なぜ子どもが危険にさらされるのでしょうか?
- 最初に挙げられる答えが貧困です。 しかし、それだけでは、子どもの商業的性的搾取の説明がつきません。様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられます。
- 誰が子どもを性的に搾取しているのでしょうか?
- 子どもへの性的搾取をしている加害者のほとんどが男性ですが、女性の場合もあります。あらゆる分野や職業にわたっています。どんな職業にもどんな国にもいます。思春期前の子どもを性的感情を持つこと自体は犯罪ではありませんが、子どもとの性行為や虐待行為を行うことが犯罪です。
- わたしたちにできること
- だれでも、どんな形でも、子どもの商業的性的搾取をなくすために私達がやれることは沢山あります。
子どもの商業的性的搾取と闘うために、ECPATをはじめ、あなたの国のECPAT、子どもの権利を守るために活動している団体を支援することができます。