FCLP:副防衛相 鹿児島県知事に馬毛島移転検討を伝達

2011年6月8日 11時39分 更新:6月8日 13時19分

米軍艦載機の訓練移転先の候補に挙がっている鹿児島県の馬毛島。島のほとんどは私有地となっている=2011年6月4日午後1時6分、本社ヘリから野田武撮影
米軍艦載機の訓練移転先の候補に挙がっている鹿児島県の馬毛島。島のほとんどは私有地となっている=2011年6月4日午後1時6分、本社ヘリから野田武撮影

 小川勝也副防衛相は8日午前、鹿児島県の伊藤祐一郎知事と県庁で会談し、東京都・硫黄島で暫定実施している米軍空母艦載機部隊の陸上空母離着陸訓練(FCLP)の移転先として、同県西之表市の馬毛(まげ)島を検討していることを伝えた。伊藤知事は「地元の意向が最も重要だ。その意向に沿って対応したい」と述べるにとどめた。

 FCLPは空母艦載機のパイロットが、陸上の滑走路を空母の甲板に見立てて離着陸の訓練をする。06年に日米両政府が合意した在日米軍再編ロードマップ(工程表)では、米軍空母艦載機部隊を14年までに米軍厚木基地(神奈川県)から岩国基地(山口県)に移転すると明記。FCLPについては「恒常的な施設を09年7月またはその後のできるだけ早い時期に選定する」としていたが、移転先はまだ見つかっていない。

 馬毛島は種子島の西約12キロにあり、民間開発会社が島の大部分を所有する無人島。防衛省は同島に訓練施設を自衛隊の施設として整備し、米軍と共同使用したい考えだ。

 ただ、西之表市など地元自治体は騒音被害を理由に移転に強く反発しており、移転実現のめどは立っていない。

 会談後、小川氏は「地元の意向を無視して進めることはない。恒常的な騒音があるとの懸念があるようだが、最長でも年間1カ月程度だ」と述べ、今後も地元の説得に全力を挙げる考えを強調した。

 一方、伊藤知事は「(南西諸島防衛強化を打ち出した)防衛大綱に基づく対応であることは十分理解できる。事実確認のため、地元自治体が国の説明を聞くことは必要ではないか」と語った。【福岡静哉、坂口裕彦】

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