付属池田小事件:発生10年 1400人が参列し追悼式典

2011年6月8日 11時33分 更新:6月8日 12時22分

「祈りと誓いの塔」に献花する児童たち=大阪府池田市の大阪教育大付属池田小で2011年6月8日午前9時12分、三村政司撮影
「祈りと誓いの塔」に献花する児童たち=大阪府池田市の大阪教育大付属池田小で2011年6月8日午前9時12分、三村政司撮影

 児童8人が犠牲となった大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の乱入殺傷事件は8日、発生10年を迎え、追悼式典「祈りと誓いの集い」があった。遺族や在校生、教職員ら計1400人が参列、犠牲になった児童8人の冥福を祈り、在校生代表が献花した。当時在籍した教員7人が、事件後の学校安全の取り組みを語る「先生からのメッセージ」という行事が初めて行われ、在校生らが耳を傾けた。

 旧正門脇にある8人の名前が刻まれたモニュメント「祈りと誓いの塔」の前で行われた式典では、児童代表が塔の鐘を鳴らし、全員が黙とうした。

 事件当時から在籍する佐々木靖校長(49)は「事件当時の教職員は『二度とこのような悲しい事件が起こらないよう』誓った。子供が人を守る側の人間になるよう教育していこうと誓った」と振り返り、「学校安全の発信について、(付属)池田小に集うすべての人に何らかの使命が課せられている」と、事件の風化防止を訴えた。

 「先生からのメッセージ」では、当時の1年担任が「ボランティアの人たちが事件にあった子供たちに『少しでも元気になって』という思いで訪問してくれた。(子供たちに)自分がこれから人のためにできることを考えてほしい」と話した。酒井麻希ちゃん(当時7歳)を亡くした父肇さん(49)は「1、2年生の児童の献花を見て、麻希もこんなに小さかったんだな、10年たったんだなと思った」と話した。校舎内では麻希ちゃんが襲われた後、逃げようと歩いた廊下に立ち、「頑張って生きようとした麻希に思いをはせ、過ごした」と振り返った。

 この日夜には、当時の保護者や教員らが再会する「交流会」も初めて開かれる。【熊谷豪】

 ◇ことば・大阪教育大付属池田小乱入殺傷事件

 01年6月8日午前10時過ぎ、宅間守元死刑囚(04年9月に死刑執行)が校内に乱入。2年女児7人、1年男児1人を刺殺し、児童13人と教師2人に重軽傷を負わせた。この事件を機に、防犯の視点を意識した危機管理の必要性が指摘され、学校や子供の安全を守る対策が全国で飛躍的に進んだ。大学側は安全管理の不備を認めて謝罪し、8遺族と03年6月、重傷を負った8人の児童の保護者とも05年5月、それぞれ賠償が合意した。

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