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知事発言メモ「事実なら責任問題」 県議会側も憤り | ||
「いろいろなルートで県議の支持者に働きかけてほしい-」。九州電力の「やらせメール」問題の引き金になった可能性が指摘される古川康知事の発言メモに、議会工作の指示と受け取れる内容が書かれていることが6日、明らかになった。県議からは「本当にそんに露骨な要請をしたのか」という驚きの一方、知事を支えてきた自民県議からも「メモの内容が事実なら、責任問題だろう」と厳しい声が上がった。
過去に例がない全員参加の特別委員会を立ち上げ、玄海原発の再稼働問題を審議してきた県議会。民主党の内川修治議員は「ここまで具体的に指示し、介入した話が事実なら、ひどすぎる話だ。議会にも県民にも失礼な話で弁解の余地はない」と批判した。
九電佐賀支店長(現支社長)が書いたメモが真実味を帯びているのは、県民説明番組の出演者など一部の人しか知らない情報が書き込まれている点。社民党の徳光清孝議員は「信憑(しんぴょう)性があると思う。知事が九電側に重要な情報を流し、再稼働に向けて相談していたのでは」と指摘する。
これまでの議会で、知事は「安全性を第一に、中立な立場で判断したい」と繰り返したが、その根幹が揺らいでいる。共産党の武藤明美議員は「事実なら大問題。知事は中立を装いながら、再稼働に向けた中心人物として“確信犯”的な行動を取っていたといえる」と批判した。
県議会与党として古川知事を支えてきた自民党も戸惑いを隠さない。石丸博県議団会長は「次から次に問題が出てくる。当面は成り行きを見極めないと、自民党としての判断は難しい」と話す。
取材に応じた県議はいずれも九電からの働き掛けについて「なかった」と否定しており、「事実関係は、知事が話しているように第三者委員会の判断を待つしかない」と繰り返した。「疑惑は信じたくない」と話す自民の中堅県議は「第三者委員会に身を委ねる以上、その結論次第では、最悪のこと(引責辞任)も考えなければならないだろう」と心配した。
古川知事はこの日、コメントは出さず、9日の県議会特別委員会で説明する意向。知事公舎前には夜遅くまで取材陣が帰りを待ち構えたが、姿は見せなかった。 |
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2011年08月07日更新 |