東京電力・福島第一原子力発電所の事故によって、子どもたちが受ける放射線の影響やどのように健康を守っていくかを考えるシンポジウムが開かれ、子どもたちの健康を長期的に調べる必要があるといった指摘が出されました。
このシンポジウムは、名古屋市で行われているがん検診の学会の中で開かれたもので、小児医療や被ばく医療が専門の医師らが参加しました。この中では事故による放射線が子どもたちの健康にどのような影響を及ぼすのか長期的に調べる必要があるという指摘や、これまでの被ばく量のデータなどから負担の大きな検査は対象となる子どもを限定してもよいのではないかという意見が出されました。また、福島県立医科大学小児科学講座の細矢光亮教授は、ことし4月の時点で18歳以下だった福島県のすべての子どもおよそ36万人を対象に、放射線の影響が出やすい甲状腺の検査を実施する計画を説明しました。この検査は本人が希望すれば生涯にわたって受けられるということで、細矢教授は「科学的には一定の被ばく量以上の人だけでよいと考えられる検査でも県民に安心してもらうには子どもたち全員を対象にすることが重要だ」と話していました。