2011年5月17日
ATOKにも匹敵する? 無料の「Google IME」をインストールしたら、文書入力の効率がすごく向上した件
iPhoneを始めとするスマートフォンの登場以降、メールチェックや簡単な調べ物などでPCを起動する頻度は確実に低下しました。それでも、長文のメールを書いたり、ビジネス文書を作成したりといった作業には、やはりPCが欠かせません。その理由として、PCにはキーボードに代表される「快適な文章入力環境」がそろっていることは重要なポイントでしょう。いくらフリック入力が効率よろしいといっても、フルキーボードにはかないませんからね。
とはいえ、快適なハズのPCでの文章入力も、「漢字変換」がモタつくとリズムが悪くなってイライラします。個人的な見解ではありますが、Windows標準のIME(日本語入力変換ソフト)である「MS-IME」、そしてOfficeシリーズを入れると同時にインストールされる「Office IME」は、あまりデキが良いとは言い難いIMEだと思います。長文の変換精度は高くないし、低スペックなPCでは動作が重く、たった数文字の漢字変換にも処理待ちのタイムラグが生じる有様。
そんなMS製IMEに代わって、我々ライターの世界で“標準環境”的なポジションを占めているのが、MS-DOS時代から25年以上の歴史を持つジャストシステムの「ATOK」です。入力された文章を読み取り、一発で正しく変換する精度は疑いようもなく最強クラス。ビジネス慣用句の入力補助や、敬語の間違いを正してくれる支援機能などもあって、ATOK入りのPCでは文章を書いていて安心感があります。唯一の難点は価格の高さ(通常版パッケージ[ベーシック]で8,400円)ですが、最近は「月払い」の定額制サービスが始まり、1カ月あたり「300円」で利用可能になりました。最高峰の入力環境を手に入れるなら、1日10円という対価は決して高いとは言えません。
しかし、そのATOK最強伝説に「待った!」をかけたのが、Googleによる日本語IME「Google日本語入力」です。その最大の特徴は、Googleがウェブ上から収集した膨大な日本語のウェブサイトをもとに、日本語辞書が作られていること。文章の一部を入力すると、その辞書を利用した予測変換機能によって入力がサポートされることです。
変換候補を表示した状態で「Tab」キーを押すと、予測変換の候補がリストアップされます。「おつかれ」→「お疲れ様です。」、「いつも」→「いつもお世話になっております。「よろしく」→「よろしくお願い致します。」といった感じで、メールなどでよく使う語句の入力がスピードアップするのは確実。
そしてGoogle日本語入力の真骨頂は、いわゆる「ネット語」「ネットスラング」に異様なほど強いという仕様にあります。「ただしい」を変換すると、「ただしイケメンに限る」が候補にでるのは序の口。ネット上でよく使われる語句がやたらと正確に入力できてしまいます。(ビジネスには役立ちませんが…)
また、「いま」→「午前1時44分」、「あした」→「2011/05/13」のように日時が変換できたり、「12345」→「0x3039」と16進法に変換できたり、「1234*567=」→「699678」のように計算できたり、「おみくじ」→「大吉」で今日の運勢を占えたりと、漢字変換のスケールを超えた特殊機能も備えられているので、意外な変換を探すだけでも面白かったりします。
このように、若干変態的な特徴こそありますが、普通の日本語においても、その変換精度の高さ、変換スピードの速さはMS-IMEを余裕で越えるレベルにあります。そしてATOKと違って無料で使い放題。どんなPCにも気軽にインストールできるという点で、最初に乗り換えるIMEとしては非常に優秀といえますね。ちなみに、この記事の原稿はGoogle IMEを使って書きましたが、ほぼ何のストレスもなく書き終えられました。まだ標準のIMEを使っている人は、ぜひともインストールしてみることをおすすめしますよ。
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- ライター
呉 琢磨(ご たくま)
フリーライター/編集者。PC、IT系のテーマを得意としつつ、ビジネス記事から恋愛コラムまでなんでも書く雑文稼業。中南米縦断の旅から帰国した後に住居が定まらず、なりゆきでノマドワーカーになる。WiMAXの電波さえ届けばどこでも仕事場。ただし椅子の固さにはこだわる。
中南米13ヶ国からノマド更新したブログ http://go-gogogogo.blogspot.com/