幸福な出産のススメ

町の開業助産婦が40余年の経験から自然出産の大切さを語ります。

逆子の人が自然に産まれました。感謝,感謝

2月11日の私のブログでは逆子の妊婦さんについて書かせて貰いました。
彼女は赤ちゃんが頭位になるように一生懸命色々な事をして頑張りました。しかしやはり頭位にならなかったので結局帝王切開の予定日を22日に延ばして呉れたようです。
それで結局その帝王切開の予定日まで待つ事しか無いのかと悶々としておりました。
そうして私は最後の救いの道として私の知り合いの産科医に逆子の妊婦さんの事を話したのです。

****** ▼ 追記記事 ▼ ******

彼はちょっと体調をくずしておられる様子でしたが、診察であればしても良いという承諾を頂けました。
そうして16日約束の日に妊婦さんとご主人そうして妊婦の実母の3人を乗せ、私はその産科医の医院に向けて出発しました。しかしその日妊婦さんは軽い陣痛が来ておりました。それでも是非その産科の先生に診察して貰いたいと思い、医院に向けて出発しました。高速で2時間くらいかかる所でした。しかし出来るだけサービスエリアの休息はトイレ休憩のみでスピード上げて突っ走りました。途中妊婦の状況を伺う電話を産科医から受けました。私は陣痛は5分置きで来ている事、結構陣痛が強い事など連絡をしました。すると彼は「そのような陣痛が来ているのであれば、近くの病院へ行く方が良いのでは、一回も健診をしていなので無責任な事は
できなから」と言うのです。しかし私達はもう高速道路に乗り半分まで来た所なのでこの近くの病院も知らないし、また戻る事が出来ないので是非そちらに向いたいと熱心にお願いしました。彼は「それではこちらに向いて来てくれ他に医師もいるので」との返事をもらい一安心してまた、高速道路をひた走りしました。そうして目的の医院のインターへあと数十キロの時点に来ました。そこに今度は今まで連絡を取っていた産科医とは違う、代診をしているという若い医師から連絡がありました。彼は「今あなたがこちらに来ても1回も診察していない人の逆子のお産は出来ない。そうしてやはり逆子は帝王切開の出来る病院に移った方が良いと思うのでこちらより、帝王切開の出来る病院を紹介するのでこれからそちらの病院に回って欲しい」というのです。私はその言葉を聞いた時、本当にお先真っ暗になりました。「えっえ、何?」これから伺おうとしている医院からはっきりと断られたのです。もちろん1回もそちらの医院で健診を受けておりません、しかしその1回が今日なのです。そうして陣痛が来てしまったのです。彼はあえて1回も受診していない人のお産を取り上げようとしないのでしょう。私は大変悲しくなりました。そうして私は彼に「先生は逆子の出産をした事が無いのですか?」と彼は「いやここで受診していた人であればした事があります」と答えたのです。私はそうですね、1回でも受診していた人であればお産もして頂けたかと思います。しかし今回はその受診の日に陣痛が来てしまったのです。ちょっと私として複雑な気持ちでした。しかし彼は帝王切開の出来る病院としてある病院を紹介してくれました。そうしてそこの大病院の産科医は私に妊婦の状況を聞いてきました。私は陣痛は3分くらいで、結構強いのでお産も進んでいると答えました。彼は「自分の病院にはいつでも来て良い。しかし自分の考えだと今までかかっていた病院へ戻った方が良いのでは。」と助言を下さいました。私は彼の誠実さに感謝した。そうして彼に「先生の所は逆子は自然分娩するのですか?」と聞きました。彼は「自分の所はレントゲンをとって異常無いときは逆子は自然出産します」と答えてくれました。私はこの先生の病院へ移っても良いかもしれないと感じました。そうして妊婦さんにお話しました。「実はこれから大病院の産科の先生が、いつ入院して良いと言っていますが、あなたはどうしたら良いですか?」彼女は「自分は自分が目指していた医院でなく、何にもしらない大病院で、もし手術をするのであれば、今までかかっていた病院に帰りたい」とはっきり言うのです。私は彼女の意見に同意しました。しかし今の陣痛の状況で果たしてこれから1時間以上持つだろうかと心配でした。しかしUターンする事に決断しました。そうして今までかかっていた病院に連絡をとり陣痛が来てしまったので、今からそちらの病院に伺うと電話をしました。そうしたら先生は二つ返事で了解してくれたのです。

私は高速道路の路線を変え、Uターンしました。そうして私はもし車の中で急に産まれるようであれば、その時は出産しようと覚悟をして車を運転し始めました。陣痛は結構強くなって来ているようです。彼女は陣痛中声を少し上げるようになっておりました。私はバックミラーで彼女の様子を見ながら励ましたり、呼吸法を教えたりしつつ、高速道路を約130kmの速度で突っ走りました。案の定私の後を覆面パトカーがぴったりと付いて来ております。私はすぐに路肩に寄り、助産婦である事を言い、今陣痛が来ている妊婦を病院へ搬送する所である。と言いましたら、免許証を見せて下さいと私の免許証を見せたら、「わかりました、それでは気をつけて」と私達を走行車線まで誘導してくれました。そうして小一時間かかったあと、やっと私達の目的のインターの表示が見えてきました。何だか帰りの道は非常に時間的に早いと感じました。彼女の陣痛は結構間隔は早いのですが、破水も血性おりものもありません。これであれば、病院まで持つかもと内心思っておりました。
やっと病院に着きました。妊婦さんは陣痛中少し努責が来ているようだ。私はもしかしてこのような強さだったら自然のお産になるかもと思いつつ他の助産婦にバトンタッチして病院を離れました。

私はホッとした。朝9時に知り合いの医師の医院を目指して高速道路をひた走りして断られ、今度はUターンして今まで受診していた病院に到着したのです。その緊張感は表現する事が出来ないほど緊張したのです。ですが、やっと私の肩の荷が下りました。本当に良く車の中で産まれなかったと胸をなで下ろしたのです。たった数時間でしたが紆余曲折し、もとのさやに収まった感じでした。この病院では帝王切開の準備がしてあったようでした。
私の今日のミッションは終わりました。
私は家で高速道路の運転の疲れを癒していると、午後1時50分頃、実は赤ちゃんが下から産まれたのです。とお母さんから連絡がありました。彼女の嬉しい声が聞こえてきました。どうしても帝王切開でお産をしたくないという信念が伝わったのでしょう。私は本当に感動し涙がでそうになりました。
本当におめでとう、3時間以上の高速道路での右往左往をお母さんはしっかりと見ていました。この先どうなるのか心配していたと思います。しかし本当に自分たちが思っているようになったのです。私はこの出来事は本当に忘れられません。そうしてこのようにしなくてはもしかして自然分娩にならなかったのかもと思うと感慨無量でした。

本当に大変な一日でした。しかしこれって全て素晴らしい経験になります。先生に受診を断られたのも良かったと思います。捨てる神もいれば拾う神もいるのだと言う実感を感じました。そうしてその結果妊婦さんが希望したように自然なお産が出来た事は素晴らしい事です。赤ちゃんは出産前の推定体重は2500gでしたが産まれてみると小さくて、2090gだそうです。
しかし赤ちゃんは満期産なので元気だそうです。まだ彼女と赤ちゃんにお会いしておりません。これから彼女の実家に伺いたく思っております。

これって「人事を尽くして天命」を待つではないでしょうか。

全ての人に感謝です。有り難く思いました。

考えてみましたら、40年前は殆ど病院では逆子は自然にお産をしておりました。
そうして昔の先輩産婆さんも自宅で逆子を取り上げておりました。それって、逆子は別に異常では無かったのです。私も若い頃病院で逆子のお産に何回もあっております。少しは逆子の出産もしておりました。しかし現在助産婦が逆子の出産をする事はなんだかガイドラインで禁止されており、熟練の助産婦も逆子を扱う事が出来なくなって来たのは事実です。
陣痛がきている逆子の妊婦さんを車にのせ、動くのは大変危険だと思います。しかし私の心の奥にはもし何かあったら自分でもお産ができるようにといつもお産セットは持参で走ります。そのような気持ちがなければ、このように逆子の陣痛か来ている人をつれて車で走る事は無いかも知れません。また、若い助産婦が私のような事は決して出来ないでしょうし、またやって欲しくありません。

どうしたら日本の女性の逆子のお産が帝王切開にさせない様にする事が出来るのでしょうか。余りにも安易に帝王切開が勧められている昨今、本当に女性として悲しくなります。

テーマ:初めての妊娠・出産・育児 - ジャンル:育児

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