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多度大社 例祭由緒
多度祭(三重県無形民俗文化財)

多度大社の例祭は、一般的に多度祭と称し、毎年5月4日・5日の両日に行われ、その中でも上げ馬神事、流鏑馬神事は、祭の花形であり、その起源は南北朝の頃に始まったといわれている。元々は武家豪族ならびに、氏子逹が古式のまま、神様に奉納する行事として行っていたとされるが、織田信長の兵火にかかり、神社も荒廃したため、約30年余の間中断していたところ、徳川家の時代となって、時の桑名城主、本多忠勝公が神社の再興に力を注ぎ、3基の神輿を奉納、続く第2代城主・本多忠政公により祭事が復興され、更に御厨(神饌を供える地区)組織による広大な祭事となって、今日に至っている。
 上げ馬神事 多度祭の中心的行事である上げ馬神事は、人馬一体となり躍動的な神事である反面、危険が伴うことから、祭の奉仕者は、神様の御加護が得られるように、昔ながらの精進潔斎が行われ、怪我のないように努めている。4月1日の神占いにより、騎手と定められた者は、家族共々別火の生活に入り、心身を清め、乗馬の練習をなし、祭一週間前ともなれば、尚一層清浄なる生活に入り祭事に備えるのである。
 祭事は御厨の7地区により奉仕され、神児1名・騎手6名が選定される。騎手を出す6地区からは、祭馬(各3頭)計18頭が準備される。祭事は専ら『花馬』(上げ馬をする順序は毎年交代するが、その年の最初に上げ馬を行う地区)の指示により進められる。今年(平成23年)は、猪飼・力尾・多度・小山・戸津・北猪飼の順(毎年輪番)で花馬は猪飼区。
 騎手の衣裳は4日は陣笠裃姿、5日は花笠武者姿にて乗馬する。5月4日の行事は、乗り込み・馬場乗り・坂壊し・12頭の上げ馬・須賀での馬場乗りが行われる。その晩、騎手は神社に於いて宮籠りし、翌5日朝6時の例祭祭典に参列する。5日は乗り込み、馬場乗りが所定の回数行われ、神児迎え『7度半の迎え』を終了直後、6頭の上げ馬を行う。
 上げ馬終了後、楠廻りの行事が行われる。その後神社より、神輿が渡御され、古代絵巻さながらの行列をなし、須賀の馬場(南東2,5kmの御旅所)に向かう。行列が須賀に到着の後、須賀馬場にて流鏑馬等の神事があり、神輿が再び本社に帰られて終了する。
 多度祭には古くから農作の時期や豊凶が占われてきたが、近年は景気の好不況など様々なことが占われている。  又、勇壮な神事・祭馬にあやかり、商売繁盛・社運隆昌・学力向上等を願う人々も多い。