自民党の小池百合子総務会長(元防衛相)が4日、リビア北東部にある反体制派の拠点都市ベンガジを訪問し、国民評議会(TNC)のアブドルジャリル議長、「首相」のジブリル氏らと会談した。日本の閣僚経験者が内戦状態のリビアに入ったのは初めて。
日本リビア友好協会会長の肩書を持つ小池氏は、2009年にトリポリでカダフィ大佐とも会談している。この日はカダフィ政権への資産凍結で奨学金を打ち切られた日本滞在中のリビア人留学生への支援などをアピール。油田が集中する東部をおさえるTNC側に一転して接近を図った。
小池氏は、朝日新聞の電話取材に対し「先方からは日本の対応が遅いと言われた。より迅速な対応を取るよう日本政府に働きかけたい」と述べ、TNC側への支援を強化すべきだとの考えを示した。米英仏各国政府はTNCを「唯一の正統政府」として承認。カダフィ政権と事実上断交した。日本政府は、TNCを「リビア国民の唯一の正統な対話相手」として認定したが、カダフィ政権との関係も維持している。先月には、外務省高官を初めてベンガジに派遣した。大臣以下の政務3役はまだ訪問していない。(カイロ=石合力)