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玄海町、原発交付金の1億円をずさん処理 | ||
東松浦郡玄海町が2010年度、原子力発電所に関連する国からの交付金1億円を基金に積むための予算措置をしていなかったことが5日、同町への取材で分かった。町は「予定していた事業が遅れ、予算化を忘れていた」と認めている。年度末になって急きょ、基金に積み立てたが、本来の補正の手続きを踏んでおらず「不適切」との指摘が上がっている。多額な“原発マネー”が交付されるなか、町のずさんな財政運営の一端が浮き彫りになった。
予算措置をしていなかったのは、2010年度に交付されたプルサーマル受け入れに伴う核燃料サイクル交付金の1億円。町は同年度分について、6月補正予算で、次世代エネルギーパーク整備の事業費として約2億5千万円を計上していたが、用地買収が遅れたため、年度内の全額執行が見込めなくなった。しかし、次年度にすぐ工事着手などができるよう、要求額を約2億5千万円から1億円に減額し、核燃料サイクル補助金基金に積むことにした。
執行部は3月議会で同基金を積み立てる条例改正案と事業費を1億円に減額する補正予算は提案したが、基金に積み立てる予算措置をしないまま、3月末までに内部処理で組み入れた。
予算措置をしていなかったことについて同町幹部は「当初の見込みより用地買収が遅れ、見極めがぎりぎりになり、結果的に忘れていた」と釈明した。岸本英雄町長は「基金に積み立てるやり方は手続きとしておかしくはない」と話している。
地方の財政に詳しい地方自治総合研究所の飛田博史研究員は「多額の原発関連交付金を長年扱ううちに、なれ合いになっていたのではないか。手続きのミスというより、税金を大切に計上する意識が足りない町の姿勢の問題」と話している。
核燃料サイクル交付金は、九州電力玄海原子力発電所3号機のプルサーマル受け入れに伴い14年度までに総額60億円が交付される。内訳は玄海町に30億円、県15億円、唐津市15億円。玄海町は、太陽光や水素など新エネルギーを体験できる次世代エネルギーパーク整備などに充てている。 |
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2011年08月06日更新 |