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タイ:インラック氏を初の女性首相に選出 新政権発足へ

インラック・シナワット氏=西尾英之撮影
インラック・シナワット氏=西尾英之撮影

 【バンコク西尾英之】タイ国会は5日、7月の総選挙で圧勝したタクシン元首相派「タイ貢献党」のインラック・シナワット氏(44)をタイ初の女性首相に選出した。新首相は組閣に着手し、来週には08年12月以来2年8カ月ぶりのタクシン派政権が正式発足する。

 新首相は06年のクーデターで政権を追われ国外滞在中のタクシン元首相(62)の実の妹。総選挙では北部、東北部農民を中心とした強固なタクシン氏支持層に加え、初の女性首相候補となったインラック氏個人への中間層の支持も追い風となって、貢献党が下院定数500の半数を大きく上回る265議席を獲得。反タクシンの前与党「民主党」は159議席にとどまった。

 インラック政権は少数5政党と連立を組み、下院で300議席を占める安定与党となる。

 タイは自動車産業などの集積が進み、東南アジアの生産拠点として順調な経済発展を続ける。一方、政治的には、低所得層の支持を得る新興勢力のタクシン氏と、王室周辺や軍、富裕層など旧来の支配階級との対立が深刻化。昨年にはバンコク都心部を占拠したタクシン派と軍が衝突し多数の死傷者が出た。新政権は国内の対立解消が最大の課題となる。

毎日新聞 2011年8月5日 13時45分(最終更新 8月5日 19時23分)

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