ハウスのしつけは何も難しいことはありません。
基本はまず何よりも日頃からハウス中心の生活を心掛け、その生活に慣れさせることです。
まず最初はハウスから出して長い時間遊ばせるのではなく、子犬が他のことに気を取られずに飼い主さんと夢中で遊べる時間を目安に始めてみましょう。
“子犬が他のことに気を取られずに飼い主さんと夢中で遊べる時間”は個体差によって違いがあると思いますが、とりあえず5分程度で様子を見てみるといいでしょう。(参考:犬が物事に対して最大限に集中力を発揮出来る時間は1分~1分30秒程度)
遊びが終わってハウスに戻す際には扉の前へ連れて行き、「ハウス」とコマンド(命令)を発しながら中へ入らせます。
最初は子犬が嫌がって飼い主さんが押し込むような形になってしまうかもしれませんが、決してそこで怒らずに、中に入ったら「ヨシヨシ」と褒めてあげましょう。
これを毎日根気良く繰り返してください。
そしてある日、自分から上手くハウスに入った場合は大げさに声を出して褒めちぎりましょう。
最初はご褒美としてドッグフードを数粒与えるなどしても構いませんが、最終的にはコマンドのみでハウスに入るようにしつけましょう。(ご褒美がないと指示に従わない状態は本当の意味でしつけが出来ているとは言えません)
ハウスのスペースに余裕があれば、中に置く寝床としてクレート(キャリーケース)を使ってクレートトレーニングをすることも出来ます。
クレートトレーニングが出来ていればそのまま移動することが出来るので、ドライブや旅行に連れて行く際にも便利です。
室内でワンちゃんを飼育する飼い主さんにとってトイレのしつけは最も重要なテーマと言えると思います。
ただ、トイレトレーニングはどちらかと言うと『持って生まれた性格的な要素』が大きく影響してきますので、あっという間にマスターしてしまう子もいれば、マスターするまで長い期間を要する子もいます。
あるひとつの方法では上手くいかなくても、別の方法はその子の個性に合っていたため上手くいったというケースもありますので、ひとつの方法に固執せず柔軟に考えながら臨機応変に対応してあげることも必要です。
今回、こちらでご紹介するトイレトレーニングの方法も効果を感じられるワンちゃんもいれば、あまり効果を感じられないワンちゃんもいることでしょう。
しかしながら、犬のしつけにおいて大切なことはその過程(教える順番)を間違えないことで、トイレのしつけにおいてもそれは同じことです。
多くの飼い主さんはいきなり子犬をお部屋の中に自由に放した状態にして、決められた場所に排泄するように教えようとしますが、当然これは無理なことであり教える順番が間違っています。
当サイトのトイレトレーニングはこういった誤った過程を踏むことなく、成功し易いところからスタートして自然とレベルアップさせていくのがコンセプトなので、より多くのワンちゃんにお役に立てると考えております。
それでは、具体的な方法を説明して参りましょう。
まず最初のトレーニングはハウスの中に限定します。
子犬を迎えると最初はハウスの中での生活が中心になるのはご存知のことと思いますが、ただハウスの中で過ごさせるのはもったいないので、子犬を迎えた当日からトイレトレーニングを始めてしまいましょう。
ハウスの中は寝床以外の全体にトイレシーツを敷いてあげてください。
まだこの段階ではトイレシーツを固定するトレーを使う必要はありません。(トレーを寝床と勘違いする子が多く、寝床で排泄するクセが付いてしまうとさらに厄介です…)
当然、最初は飼い主さんの思い通りにはいかず、寝床で排泄してしまうこともあるでしょう…。
でも、決して叱らないようにしましょう。
トイレの失敗を叱ると排泄行為自体がいけないことと認識してしまい、家具の裏などの目立たない場所で排泄をする習慣が付いてしまう恐れがあります。
トイレトレーニングの段階ではもし失敗をしてもあえて何も言わずに淡々と片付けるだけで結構です。(ここで中途半端に何か声を掛けてしまうと、子犬は失敗したことを飼い主さんが喜んでくれていると勘違いしてしまうかもしれません)
最初はハウスの中全体に敷いたトイレシーツのあちこちに排泄をするかもしれませんが、それは失敗ではありませんのでしばらくそのまま様子を見ていきましょう。(この段階では寝床に排泄してしまうことが失敗です)
そして、失敗(寝床での排泄)がなくなってしばらく経つと、排泄する位置としない位置の傾向が出始めますので、排泄しない位置にあるトイレシーツを徐々に撤去していきましょう。
ここでも一挙に撤去せずに、段階を踏んで1枚ずつ撤去していくくらいが理想的です。
そして最終的には1ヵ所(トイレシーツ1枚分)をトイレスペースとします。(下記手順参照)
また、ハウス内でのトイレトレーニングと並行してお部屋の中でのトイレトレーニングも始めて結構です。
ただし、この段階ではお部屋の中を自由に放した状態でのトイレトレーニングではなく、『トイレスペース限定』でのトイレトレーニングです。
まずは室内の一角(トイレスペースにしたい場所)にトイレを設置します。トイレスペースには小さめの四面サークルの活用が便利かつ効果的です。
サークルの中にはトイレシーツを敷いてあげましょう。
具体的なトレーニング方法として、子犬が起きた直後や排泄しそうな仕草を見せた時にそのサークルの中へ入れてしばらくサークルの扉を閉めた状態にしておきます。
この時飼い主さんはじっと見ていないで放っておきましょう。
そのまま5分も経てば大抵は排泄してくれますので、上手く排泄出来た後はおもいっきり褒めてあげましょう。
また、排泄中に「ワンツー・ワンツー」、「オシッコ・オシッコ」、「ウンチ・ウンチ」といった声を掛ける(合図をする)ことによって、その言葉に反応して排泄するようにしつけることもできます。
これを毎日続けることにより、「サークル=トイレ」ということを理解していきます。
また、これと同じ要領でお風呂場をトイレスペースとして活用する方法もあります。
同様に子犬が起きた直後や排泄しそうな仕草を見せた時に風呂場へ連れて行き、扉を閉めて風呂場でひとりにします。
この時も同様に飼い主さんが見ていてはいけません。(バスタブのふたは閉めておきましょう)
風呂場ならおしっこはそのまま水で流せるのでトイレシーツは要りません。
ハウスの中の1ヶ所(トイレシーツ1枚分)で排泄出来るようになり、なおかつ室内の一角(トイレスペースにしたい場所)でも排泄する習慣が付けばトイレトレーニングの基礎固めはほぼ完了です。
ここまでできるようになるまでおおよそ1ヶ月程度はみてあげてください。(個体差がありますのであまり焦らないでくださいね…)
なお、まだお部屋の中で放した状態でのトイレトレーニングは始まっていませんので、お部屋の中での粗相は当然のこと。
この段階ではお部屋で遊んでいる時に粗相をしてしまったとしても、決して『失敗』と捉えないでください。
Vol.1の【最初のトイレトレーニング】までマスター出来たら、次はお部屋の中を自由に放した状態でのトイレトレーニングに移行します。
既に前の段階でサークルや風呂場がトイレスペースであることをマスターしていますので、お部屋の中に放された状態の子犬が自らの意思でトイレスペースに行って排泄するような習慣をつけるまでがこの段階での目的です。
まずはトイレスペースであるサークルや風呂場へ自由に行き来できるように扉を開けた状態にしておきます。
そしてここでもハウス内でのトイレトレーニングと同様に、お部屋の中のあちこちにトイレシーツを敷いてあげましょう。(最初は少なくても10枚以上が理想です)
この場合も同じように排泄する位置としない位置の傾向が出てきますので、少しずつトイレシーツを撤去していってください。
最終的に自らトイレスペース(サークルや風呂場)へ行って排泄できるようになればトイレトレーニングは完了となるのですが、なかなかそう簡単にはいきません。
今まで順調だったのに途中でまったく上手く出来なくなる子もきっといるはずです。
そんな時はもう一度前の段階(トイレスペースに限定してのトイレトレーニング)に戻ってください。
当然ながら、以前のようにトイレスペースで上手く出来た時にはおもいっきり褒めてあげることも忘れないでください。
そして、頃合を見計らってもう一度お部屋の中を自由に放した状態でのトイレトレーニングに再チャレンジしてみてください。
これで子犬が自らトイレスペース(サークルや風呂場)へ行って排泄してくれればトイレトレーニングはほぼ完了です!
そしてそれが完全に習慣となった時にはサークルを撤去してトイレシーツのみにしても大丈夫です。
ここまで完璧にマスターするまでの期間は個体差によって様々ですが、根気よく繰り返していくことによって必ず習慣となります。(遅い子だと半年ほど必要となる場合もありますので決して焦らないでください)