Google+ の方がビジネスに適している理由
紙とプラスチックはどちらが良いか。Google+ と Facebook ではどちらか。ソーシャル ネットワークの世界に突然選択肢が登場した。
だが、どちらを選べばよいのだろうか。現時点では、個人向けソーシャル ネットワークとしてはどちらのサービスにも長所があり、短所がある。だがビジネスではどうだろう。Google+ の圧勝なのだ。
(Google+ はまだ成長過程であることに注意したい。膨大な需要のせいでユーザー登録は一時休止されているが、もうすぐ再開されるはずだ)
Google+ には、1つどろこか3つの必殺機能が用意されている(「必殺」と書いたのは、Facebook がそれを真似なければ息の根を止められかねないからだ)。
必殺機能(1):「友だち」にならず「フォロー」する
Google+ では人々をフォローすることになる。友だちにはならない。つまり基本的には、相手がこちらに対して購読登録しているかどうかにかかわらず、こちらから相手の書き込みを購読できる。双方の合意は必須でない(ただし、Google+ で「Mike Elgan」を検索してフォローしてくれた人には、筆者がフォロー返しする)。
Google+ のフォロー システムは、Facebook の煩わしさを2つ取り除いてくれる。1つ目は、もうこれ以上の人と友人でいたくないときに感じる不快なぎこちなさだ。彼らとは「別れる」必要があるのだ。
だれもが別れを避けるため、不要なつながりでも断ちきれずにいる。だから Facebook の友だちリストには、コミュニケーションを取りたくない人も入っていて、それが Facebook への書き込みをためらわせてしまう
2つ目は、だれにも書き込みを読んでもらえなくて落ち込むことだ。Facebook は、ステータ更新情報が多くの友人のニュース フィードに配信されないようにする「EdgeRank」という秘密のアルゴリズムを使っている。一方、Google+ は実際に自分の指定した全員に更新情報を配信する。
さらに「必殺」なのは、Google+ はユーザー登録しなくても更新情報を取得できる点だ。ユーザーでない場合は、書き込みがメールで送信される。
友だちになるという考え方には、好き嫌いがある。しかし、ビジネスではフォローの方が良いことは絶対間違いない。何十人でも、何百人でも、何千人でも、「友だちになってくれませんか? 」と強制する状況に追い込むことなく、同僚、パートナー、業界リーダー、あるいはサプライヤーでも、だれでも好きな人を自由にフォローできるのだ。
必殺機能(2):Social Circles
Google+ では友だちになる必要はない。情報を伝えたい人全員を「Social Circles」と呼ばれるミニ ネットワークに入れてしまえるからだ。「家族」サークルや「友人」サークルを持てる。これはティーンエイジャーにとって特にうれしい機能だ。
ビジネスにも Social Circles は理想的だ。「スタッフ」や「チーム」といった Social Circle、「顧客」や「クライアント」といった Social Circle、あるいは自分や自分のビジネスにとって意味のある仕事関係者の集団を持つこともできる。
これまで、仕事で付き合う人たちはメールのニュースレターやメーリングリスト、そして会社のメールやチャットを利用してきた。もうこれらは不要だ。Google+ は簡単にこれらすべてに取って代われる。
さらに良いことに、Google+ の Social Circles は Facebook 最悪の機能にとどめをさす。自分の生活と全く異なる世界の人に同じ書き込みが見えてしまう、ソーシャル オーバーラップという機能を葬り去れる。
Facebook では、ラスベガスの写真を投稿したくても病休を取って行ったためそれができない。投稿したら上司にウソがばれてしまうのだ。投稿しないということは、本来ネットでしたいはずのことを Facebook の脆弱性で妨げられたことになる。
Social Circles であれば、上司(あるいは母親)に見られることを気にせず、ラスベガスの写真を友人向けに投稿できる。
仕事関係の人にプライベートを見せられないため、Social Circles は仕事上のつながりに適している。Facebook では大学時代の友人が乱痴気騒ぎの写真にタグを付ける可能性があるが、クライアントと「友だちになる」ことはあり得ない。ただし、Google+ では相互にフォローしているだけなので社会的な安全が保たれる。
仕事関係のフィードは日中監視し、個人的なものは夜に監視する。Social Circles の方が仕事には使いやすい。
必殺機能(3):Hangouts
Facebook はサイト内で一対一のビデオ会話を開始できるようにするため、Skype 機能を統合した。まだ Skype を使ったことがなければ、このニュースにうれしい驚きを感じるかもしれない。しかし、そのようなビジネス マンはさほど多くない。
大抵のビジネス マンは、Skype のような一対一のビデオ サービスを以前からよく知っている。この発表を行う前、Facebook 最高経営責任者(CEO)の Mark Zuckerberg 氏は「何かものすごいもの」を公開すると語っていた。しかし、Skype の統合はすごくない。これは Web ブラウザのタブをクリックして skype.com から通話を開始するよりも、ちょっと便利になるだけのことだ。
では、ものすごいものを紹介しよう。Google+ の Hangouts 機能だ。
例えば「スタッフ」サークルを選んで Hangouts セッションを立ち上げると、かなりスムーズで信頼性の高いビデオ会議がすぐ始められる。会議の参加者全員にビデオを見せたり、音声会議をしたりできる。
(確かに Skype にもグループ ビデオ機能はあるが、こちらは信頼性が低く、月額費用が発生する。Google+ の Hangouts は堅牢かつ無償だ)
仕事で使うには、Google+ Hangouts の方が Facebook の新しい Skype 統合より優れている。
(筆者は Facebook が生き残るために模倣しなくてはならない「必殺機能」の4つ目として「グループ チャット」も紹介するはずだったが、Facebook は既に今回の発表のなかで模倣してしまった。)
ここからが興味深い。Facebook はもうすぐここで紹介した2つ目と3つ目の機能を模倣することになるが、1つ目は模倣できない。Facebook サービスは全体が「友だち」の概念を中心にしているので、それを彼らが捨てることは決してない。このことが Google+ の成長を今後も可能にしていくだろう。
筆者は Google+ が Facebook を「必殺」することはないと思っている。しかし、Google+ が成功を収めていくだろうとは思っている。
それと同時に、現在のビジネスにとって Google+ の方が優れており、将来的にもおそらく優れたものになっていくことは知っておく必要がある。では Google+ でお会いしよう。
■関連記事
Dell 成功の秘訣
癖のあるソフトウェア開発マネジャから得る教訓
2011年中盤の IT 雇用状況:見通しは明るく
CIO のみなさん、クラウドはデータがすべてですよ
開発者に2台目のモニターは本当に必要なのか?
だが、どちらを選べばよいのだろうか。現時点では、個人向けソーシャル ネットワークとしてはどちらのサービスにも長所があり、短所がある。だがビジネスではどうだろう。Google+ の圧勝なのだ。
(Google+ はまだ成長過程であることに注意したい。膨大な需要のせいでユーザー登録は一時休止されているが、もうすぐ再開されるはずだ)
Google+ には、1つどろこか3つの必殺機能が用意されている(「必殺」と書いたのは、Facebook がそれを真似なければ息の根を止められかねないからだ)。
必殺機能(1):「友だち」にならず「フォロー」する
Google+ では人々をフォローすることになる。友だちにはならない。つまり基本的には、相手がこちらに対して購読登録しているかどうかにかかわらず、こちらから相手の書き込みを購読できる。双方の合意は必須でない(ただし、Google+ で「Mike Elgan」を検索してフォローしてくれた人には、筆者がフォロー返しする)。
Google+ のフォロー システムは、Facebook の煩わしさを2つ取り除いてくれる。1つ目は、もうこれ以上の人と友人でいたくないときに感じる不快なぎこちなさだ。彼らとは「別れる」必要があるのだ。
だれもが別れを避けるため、不要なつながりでも断ちきれずにいる。だから Facebook の友だちリストには、コミュニケーションを取りたくない人も入っていて、それが Facebook への書き込みをためらわせてしまう
2つ目は、だれにも書き込みを読んでもらえなくて落ち込むことだ。Facebook は、ステータ更新情報が多くの友人のニュース フィードに配信されないようにする「EdgeRank」という秘密のアルゴリズムを使っている。一方、Google+ は実際に自分の指定した全員に更新情報を配信する。
さらに「必殺」なのは、Google+ はユーザー登録しなくても更新情報を取得できる点だ。ユーザーでない場合は、書き込みがメールで送信される。
友だちになるという考え方には、好き嫌いがある。しかし、ビジネスではフォローの方が良いことは絶対間違いない。何十人でも、何百人でも、何千人でも、「友だちになってくれませんか? 」と強制する状況に追い込むことなく、同僚、パートナー、業界リーダー、あるいはサプライヤーでも、だれでも好きな人を自由にフォローできるのだ。
必殺機能(2):Social Circles
Google+ では友だちになる必要はない。情報を伝えたい人全員を「Social Circles」と呼ばれるミニ ネットワークに入れてしまえるからだ。「家族」サークルや「友人」サークルを持てる。これはティーンエイジャーにとって特にうれしい機能だ。
ビジネスにも Social Circles は理想的だ。「スタッフ」や「チーム」といった Social Circle、「顧客」や「クライアント」といった Social Circle、あるいは自分や自分のビジネスにとって意味のある仕事関係者の集団を持つこともできる。
これまで、仕事で付き合う人たちはメールのニュースレターやメーリングリスト、そして会社のメールやチャットを利用してきた。もうこれらは不要だ。Google+ は簡単にこれらすべてに取って代われる。
さらに良いことに、Google+ の Social Circles は Facebook 最悪の機能にとどめをさす。自分の生活と全く異なる世界の人に同じ書き込みが見えてしまう、ソーシャル オーバーラップという機能を葬り去れる。
Facebook では、ラスベガスの写真を投稿したくても病休を取って行ったためそれができない。投稿したら上司にウソがばれてしまうのだ。投稿しないということは、本来ネットでしたいはずのことを Facebook の脆弱性で妨げられたことになる。
Social Circles であれば、上司(あるいは母親)に見られることを気にせず、ラスベガスの写真を友人向けに投稿できる。
仕事関係の人にプライベートを見せられないため、Social Circles は仕事上のつながりに適している。Facebook では大学時代の友人が乱痴気騒ぎの写真にタグを付ける可能性があるが、クライアントと「友だちになる」ことはあり得ない。ただし、Google+ では相互にフォローしているだけなので社会的な安全が保たれる。
仕事関係のフィードは日中監視し、個人的なものは夜に監視する。Social Circles の方が仕事には使いやすい。
必殺機能(3):Hangouts
Facebook はサイト内で一対一のビデオ会話を開始できるようにするため、Skype 機能を統合した。まだ Skype を使ったことがなければ、このニュースにうれしい驚きを感じるかもしれない。しかし、そのようなビジネス マンはさほど多くない。
大抵のビジネス マンは、Skype のような一対一のビデオ サービスを以前からよく知っている。この発表を行う前、Facebook 最高経営責任者(CEO)の Mark Zuckerberg 氏は「何かものすごいもの」を公開すると語っていた。しかし、Skype の統合はすごくない。これは Web ブラウザのタブをクリックして skype.com から通話を開始するよりも、ちょっと便利になるだけのことだ。
では、ものすごいものを紹介しよう。Google+ の Hangouts 機能だ。
例えば「スタッフ」サークルを選んで Hangouts セッションを立ち上げると、かなりスムーズで信頼性の高いビデオ会議がすぐ始められる。会議の参加者全員にビデオを見せたり、音声会議をしたりできる。
(確かに Skype にもグループ ビデオ機能はあるが、こちらは信頼性が低く、月額費用が発生する。Google+ の Hangouts は堅牢かつ無償だ)
仕事で使うには、Google+ Hangouts の方が Facebook の新しい Skype 統合より優れている。
(筆者は Facebook が生き残るために模倣しなくてはならない「必殺機能」の4つ目として「グループ チャット」も紹介するはずだったが、Facebook は既に今回の発表のなかで模倣してしまった。)
ここからが興味深い。Facebook はもうすぐここで紹介した2つ目と3つ目の機能を模倣することになるが、1つ目は模倣できない。Facebook サービスは全体が「友だち」の概念を中心にしているので、それを彼らが捨てることは決してない。このことが Google+ の成長を今後も可能にしていくだろう。
筆者は Google+ が Facebook を「必殺」することはないと思っている。しかし、Google+ が成功を収めていくだろうとは思っている。
それと同時に、現在のビジネスにとって Google+ の方が優れており、将来的にもおそらく優れたものになっていくことは知っておく必要がある。では Google+ でお会いしよう。
■関連記事
Dell 成功の秘訣
癖のあるソフトウェア開発マネジャから得る教訓
2011年中盤の IT 雇用状況:見通しは明るく
CIO のみなさん、クラウドはデータがすべてですよ
開発者に2台目のモニターは本当に必要なのか?
ITトピックス
- Google+とFacebookどちらを選ぶ?
- Twitterと連動し流行を感知
- PCは何年で買い換えるべきなのか
- 激安中華タブレットはアリか?
- FOMA回線使い放題端末の体験レポ
- PCの起動時間を速くする10の小技
- 激安の"Mac mini"がさらに向上
- 仕事に役立つPCテクニック集
- 爆音を出すと部屋はどうなるか?
- ITへの絶望を救ったiPadの本質
おすすめ商品
関連ニュース:Google
- 国内タブレットの半額以下!中華タブレットという選択はありか?【中華タブへの挑戦】
APP max 08月06日10時00分(2)
- Google+ の方がビジネスに適している理由インターネットコム 08月06日07時30分(1)
- グーグル、原爆ドーム内を「ストリートビュー」で紹介
インターネットコム 08月05日11時50分(1)
- 「Dropbox」と連携するスマートフォン専用カレンダーアプリ
インターネットコム 08月04日22時50分(4)
- Apple 製ノートブックのバッテリに脆弱性が存在インターネットコム 08月06日12時20分
ITアクセスランキング
- とっても安い新型「Mac mini」はどこまで速くなったのか
+D PC USER 05日17時49分 (5)
- 携帯カメラで信じられないほど素晴らしい写真を撮影する方法SEO Japan 05日13時30分 (23)
- PCはどのくらいで買い換えているのか?そしてPCに満足しているのか
ITライフハック 04日15時00分 (22)
- FOMA回線使い放題の端末が届いた!「DTI ハイブリッドモバイルプラン」開封レポート
ITライフハック 05日16時00分 (14)
- コンピュータの起動時間を速くする10の方法ライフハッカー[日本版] 05日18時00分 (7)
- ゆるキャラのまんべくんが緩くない愛を語る「うんこ食えるようになれよ!」
Pouch 05日10時00分 (30)
- 「iPhone 5だと悟られない特殊ケース」に包まれたiPhone 5の実機を隠し持っている人がいるかも
GIZMODO 05日12時00分 (2)
- NTTドコモ、震災被災地への4回目の寄付を実施……これまでの総額は10億円超
RBB TODAY 05日22時15分 (4)
- 失われた身体性を求めてRails で行こう! 06日03時28分 (2)
- 国難の時に政治争いの余裕はない!孫さん 政党間のゴタゴタに苦言
ITライフハック 05日18時00分 (35)