枯れ葉剤9施設で使用 元在沖米軍人証言

2011年8月6日 09時40分このエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録
(4時間57分前に更新)

 1960年代から70年代前半の米軍普天間飛行場やホワイトビーチ、キャンプ・キンザーなど県内の9米軍施設で、ベトナム戦争で使用された猛毒の枯れ葉剤(エージェント・オレンジ)を使用、貯蔵していた可能性が高いことが5日までに分かった。北部訓練場での使用は2007年に判明しているが、広範囲な使用、貯蔵が明らかになるのは初めて。当時、効果的な除草剤として一般県民が入手した可能性があることも分かった。環境への影響や基地従業員などへの健康被害は未解明のままだ。

 英国系ジャーナリストのジョン・ミッチェルさんが沖縄に駐留した退役軍人十数人から証言を得た。

 証言によると、米本国などから沖縄に運ばれた枯れ葉剤は、多くが嘉手納基地や那覇軍港からベトナムへ輸送された。しかし、県内の米軍基地でもフェンス際や滑走路周辺で除草剤として使われていた。危険物との認識はなく、マスクや手袋もせず、雑草処理として散布された。

 キンザーでフォークリフトの運転手をしていた退役軍人(61)は、何百ものドラム缶に入った枯れ葉剤を各地の基地に送ったと証言。ドラム缶が割れ、液が地面に流れ、体にかかることもあった。キャンプ桑江やシュワブ、泡瀬通信施設でも使用されたという。

 ミッチェルさんは「枯れ葉剤の問題は、過去の問題ではなく、沖縄の人たちにとって現在の問題だ」と話し、米軍基地内の環境調査の必要性を訴えている。(知念清張)

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