ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 TV版

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 TV版

新しいキャラクターに新しいエヴァが登場!既成の世界観を一気に“破壊”する超問題作

キャラクターたちの心の成長を丁寧に描く 新たなるエヴァの物語は、ここから始まる!!

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 TV版 1995年のテレビ放送から、魅力的なキャラクターとメカニック、深遠な世界観で多くのファンを虜にし続けている「エヴァ」。そのエヴァの世界を生みの親である庵野秀明が自らの手で新たに「リビルド<再構築>」した「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」全4部作。その2作目となる「破」は、既存のエヴァの世界をまさに衝撃的すぎる手法で“破壊”した問題作だ。

“セカンドインパクト”と呼ばれる大災害によって多くの命が失われた近未来の地球。“使徒”と呼ばれる謎の生命体による攻撃に対抗するべく、シンジは人造人間「エヴァンゲリオン」のパイロットとして戦い続けていた。シンジとの出会いで少しずつ心を開いていくエヴァンゲリオン零号機のパイロット・レイ。シンジの前に現れる新たなエヴァンゲリオンのパイロット、アスカ。そして正体不明の少女・マリ。それぞれの出会いと過酷な戦いを通して、シンジ、レイ、アスカは大きく成長し、そして傷つき、物語は新たな次元へと突入していく。

TVシリーズから大きく逸脱することなく、最新CGを駆使して「エヴァ」の世界観を新たに作り上げた「序」に続く「破」で注目すべきなのは、衝撃的なオープニングだ。「新劇場版」からの新キャラクターであるメガネっ娘・マリが冒頭から大暴れ! 「局地仕様 仮設5号機」なる見たこともないエヴァに乗って、使徒と壮絶なバトルを見せるのだ。気が強く自信満々、女性らしい狡さを隠そうともしないマリが、物語にどう関わっていくのか、興味は尽きない。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 TV版 これまでに比べて格段に前向きになったシンジの成長ぶりにも注目。それを受けてヒロインのレイも女性らしく人間らしい魅力を開花させていく。また、レイと人気を二分するヒロイン・アスカがいよいよ登場! 彼女が操るエヴァ2号機のビジュアルも、TVシリーズからビルドアップした。アスカが言い放つ「あんたバカァ?」という名セリフは相変わらず痛快で、自由奔放な彼女の魅力が鮮やかに描かれる。

それぞれに魅力を増し、互いを理解しあうかに見えたシンジとレイ、アスカを、しかし、過酷すぎる運命が待ちうける。子どもたちがなぜ戦い、傷つかなければならないのか。何者かが画策している「人類補完計画」とは何なのか。そしてゲンドウと“ゼーレ”との関係とは。物語は数々の謎を散りばめながらも、徐々に核心に迫っていく。

1作目の「序」に続き、「ローレライ」「のぼうの城」などの樋口真嗣や、「アニマトリックス」の前田真宏が絵コンテや原画に参加。特に圧巻なのは、最初のクライマックスの第9使徒と初号機のバトル。深緑の山々と夕暮れの田園風景の静謐さと、蛍光色で描かれる躍動感あふれる残虐な描写の対比が、圧倒的なパワーで胸を打つ。ゲンドウとシンジ、ゲンドウとレイの会話のシーンでの引きの画をはじめ、キャラクターの内面を丁寧に描き出すカメラワークも絶妙だ。

様々なシーンで印象的に使われる十字架など、聖書に基づいた世界観は深読みすればするほど面白く、謎が謎を呼ぶ展開に目眩がしそう。でも難しそう…と敬遠してしまうのはもったいない! 気弱な少年が苦悩しながら本当の自分を見つけていく成長物語である本作は、誰もが楽しめる純粋なエンターテインメントとしての魅力が満載なのだ。

ちなみに「序破急」の「急」を担う三作目「Q:Quickening」の「Quickening」とは「胎動」という意味。つまり本作は新しい何かが生まれるために必要不可欠な「破壊」の章ということになる。ラスト1秒まで驚きと興奮に満ちた第2章を心ゆくまで楽しんで!

戦いを経て成長していくシンジとレイ、アスカ しかし哀しすぎる運命が彼らを待ち受けていた…

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 TV版 世界の人類の半数を失った未曽有の大災害「セカンド・インパクト」の後、海は赤く染まり、人々は「使徒」と呼ばれる謎の生命体の脅威にさらされていた。碇シンジ(緒方恵美)は、国連直属の特殊機関「NERV(ネルフ)」の汎用ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオン初号機のパイロットに選び出され、同じく零号機パイロットの綾波レイ(林原めぐみ)とともに使徒との戦いに明け暮れていた。

ある時、使徒が北極に出現。エヴァンゲリオン仮設5号機に乗った真希波・マリ・イラストリアス(坂本真綾)が出撃し使徒を撃破するが、5号機も“予定通り”大破してしまった。

同じ頃。母の墓参りから帰宅中のシンジとNERVの戦闘司令官・ミサト(三石琴乃)の前に、新たな使徒が現れた。動揺する2人が目にしたのは、空から放たれた鮮やかな赤のエヴァンゲリオン2号機。派手な戦いぶりを見せた2号機に搭乗していたのは、式波・アスカ・ラングレー(宮村優子)。彼女は、シンジとともにミサトの家に同居することになる。言いたいことをポンポンと言い放つアスカの登場にシンジはタジタジ。他人には興味のないレイに対しても遠慮を知らないアスカの存在は、レイにも少しずつ影響を与えていく。

そんな中、NERVの本部を狙う新たな使徒が襲来。変幻自在で次に現れる場所が予測不能の使徒に対して一瞬の迷いも許されない状況下で、ミサトは独断でエヴァ3体を連携させる作戦に出る。初めての事態に自分のペースがつかめず戸惑うアスカの2号機。そんなアスカをフォローしながら使徒を全身で食い止めるシンジの初号機。使徒のパワーに初号機が苦戦する中、レイの零号機が捨て身の覚悟で飛び出し、作戦は無事成功。パイロットの3人はそれぞれに傷つきながらも、互いへの理解を深めていった。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 TV版 その後しばらく使徒の襲来は途絶え、平凡な学園生活が戻ってきた。そんなある日、屋上でぼんやりしているシンジの「上」に、一人の女の子が舞い降りてくる。日本に極秘入国したらしいその女の子・マリは、このことは極秘に、と一方的に告げて去っていった。一方、穏やかな生活の中で人間らしい感情を取り戻しつつあるレイは、普段のお礼の意味を込めてゲンドウとシンジの仲を取り持つ食事会を企画。自分の手で食事を作って、ゲンドウとシンジをもてなそうというのだ。その計画のために、レイは秘密で料理の練習をし始める。

平和な日々が永遠に続くかと思われた矢先、突然消失するエヴァ4号機。パイロットの安全を確保するために、NERVでは人を乗せずにエヴァを動かすことができる「ダミーシステム」が開発され、実戦投入に向けたテストが重ねられていた。そして、アメリカからエヴァ3号機が日本に送られ、2号機は封印されることになる。紆余曲折を経て、3号機のパイロットにはアスカが選ばれた。エヴァンゲリオンだけが自分の居場所だと語るアスカにとって2号機の封印は耐えがたいものだったが、結局3号機にテスト搭乗することに同意する。

レイがゲンドウとシンジを招いた食事会の当日。新たな気持ちで3号機に乗り込むアスカだったが、3号機は使徒によって浸食されていた。暴走し始める3号機。ゲンドウの命令によりシンジは出撃するが、使徒がアスカを乗せたエヴァだと知り、戦いを拒否する。遂にゲンドウはダミーシステムを使って戦うことを選択。初号機はシンジを乗せたまま彼の意思を無視して使徒せん滅のために戦い始める…。

金輪際エヴァに乗りたくないと、第三新東京市を離れることにするシンジ。しかし、使徒の攻撃が終わったわけではない。シンジは本当にこのまま「逃げて」しまうのか? レイとアスカ、そしてマリの運命は…?

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 TV版

キャスト

<碇シンジ>
緒方恵美
<綾波レイ>
林原めぐみ
<式波・アスカ・ラングレー>
宮村優子
<真希波・マリ・イラストリアス>
坂本真綾
<葛城ミサト>
三石琴乃
<赤木リツコ>
山口由里子
<加持リョウジ>
山寺宏一
<渚カヲル>
石田彰
<碇ゲンドウ>
立木文彦
<冬月コウゾウ>
清川元夢
<伊吹マヤ>
長沢美樹
<青葉シゲル>
子安武人
<日向マコト>
優希比呂
<鈴原トウジ>
関智一
<相田ケンスケ>
岩永哲哉
<洞木ヒカリ>
岩男潤子
<キール・ローレンツ>
麦人

スタッフ

<企画・原作・脚本・総監督>
庵野秀明
<監督>
摩砂雪
鶴巻和哉
<エグゼクティブ・プロデューサー>
大月俊倫
庵野秀明
<主・キャラクターデザイン>
貞本義行
<主・メカニックデザイン>
山下いくと
<イメージボード>
樋口真嗣
前田真宏
<作画監督>
鈴木俊二
本田雄
松原秀典
奥田淳
<特技監督>
増尾昭一
<色彩設計>
菊地和子(Wish)
<美術監督>
加藤浩(ととにゃん)
串田達也(美峰)
<CGI監督>
鬼塚大輔
小林浩康
<編集>
奥田浩史
<テーマソング>
「Beautiful World -PLANiTb Acoustica Mix-」
宇多田ヒカル(EMIミュージックジャパン)
<音楽>
鷺巣詩郎