2011年6月7日 11時8分
【テヘラン鵜塚健】イランの女子サッカー代表チームが、髪や体を覆うユニホームを着用していることを理由に、ロンドン五輪予選への出場を禁止され、同国サッカー協会は6日までに国際サッカー連盟(FIFA)に不服を申し立てることを決めた。イラン学生通信が伝えた。
イスラム教の戒律が厳しいイラン国内では、外国人を含めて女性はヘジャブ(かぶりものの総称)の着用が義務づけられ、夏でも肌を出す服装が禁じられている。このため、女子サッカーチームは、髪と手足を覆った特別なユニホームで予選参加を検討したが、今月3日のヨルダン戦で出場を禁じられ、不戦敗となった。
FIFAは昨春に安全上の観点からイラン側にユニホームの変更を要求し、イラン側も一部改良に努めたが、認められなかった。同国サッカー協会のカファシアン会長は「我々は事前にFIFAの会長とも協議した」と反発している。
現地紙テヘラン・タイムズは、出場禁止の決定を伝えた試合責任者がFIFAのバーレーン関係者であることを指摘。最近の民主化デモへの弾圧を巡りイラン政府がバーレーンを非難し、両国関係が悪化したことから、バーレーン政府の圧力が禁止決定の背景にあるとの見方を伝えた。