2011年6月7日 10時29分
傷害事件を起こし少年院に入所した山口県内の少年が、少年院を出た後に被害者の少女が通う高校に入学していたことが分かった。少女側は精神的な苦痛を受けるとして、少年を指導・監督する山口保護観察所(山口市)に抗議。これを受けて少年は一度も登校せず、転校などを検討しているという。
山口保護観察所などによると、少年ら顔見知りの男女3人が昨年11月、少女の顔を殴ったり髪をつかんで引きずり回すなどしてけがをさせ、傷害容疑で逮捕された少年は少年院に入った。入所中に高校進学を希望し、この高校に合格した。4月上旬、少女が校内に張り出された名簿で少年の名前を見つけ、同じ高校にいることが分かった。
少女側の抗議で保護観察所は4月末、退院直後の少年と面談。少女側の意向を伝えたところ、少年は「自主退学する」と話したという。少女の家族は「加害者と被害者を同じ学校に入れるなんてあり得ない。『転校する予定』では不安は消えない」と話した。
少年が入っていた少年院によると、被害少女の氏名は知っていたが、通学先は把握しておらず、少年の受験時にも高校への照会はしなかったという。
【佐野格】