松田を心配し、険しい表情で練習する田中隼(左)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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松田倒れるの報に、グランパスにも衝撃が走った。横浜Mで2004年にJ1優勝の喜びを分かち合った田中隼は午後練習が終わると、急いで車に乗り込み、松本に向かった。
松田と名古屋との縁はあまりないが、親交の深い選手は多い。2002年W杯日韓大会に出場し、歴史的初勝利に貢献した盟友で、行動をともにすることが多かった楢崎は「とにかくびっくりしている」という言葉の後が続かないほど、ショックを受けていた。同じくW杯メンバーの三都主は「(詳しい)情報がないので本当に心配」と顔をこわばらせながら「ニュースを聞いた瞬間に、あの日のことを思い出した」と5カ月前の対戦がよぎった。
3月6日、松本山雅は愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで、控え主体のグランパスと練習試合。対戦した三都主は「元気だったし、このチームを強くしたいと張り切っていた」と振り返り、楢崎や田中隼とも談笑していた。環境が大きく変わっても楽しそうな姿を見ていただけに、受け止めることが難しい仲間がいた。
週明けのクールダウンはいつも和やかなムードが広がるグランパスの練習だが、この日は静粛なムード。横浜Mでコーチとして一緒に戦ったハーフナー・コーチは「危険な状態かもしれない。でも、マツならきっと大丈夫だよ」と声を絞り出した。 (木本邦彦)
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