嘉田由紀子知事は2日の定例会見で、原発シンポジウムでの「やらせ」問題が発覚した原子力安全・保安院について「今の保安院では国民の信頼は得られない」と批判し、米原子力規制委員会(NRC)を例に、独立した専門機関の必要性に言及した。
嘉田知事は「原子力を推進する側と同じ組織で、人事も行ったり来たり。(やらせ問題は)組織内で異常と思われていなかったのでは」と述べ、「安全と誰が言っているのかで私たちは信頼を作り出す。その『誰』がもたれあっているのであれば、国民は信頼できない」と語った。
また、九州電力玄海原発を巡る「やらせメール」を誘発した可能性を指摘されている佐賀県の古川康知事については「知事会で地方分権の象徴的な方で、九電と深く関わっていたとすると、かなりショック。知事は再稼働に社会的な権限があり、バランスを欠いたとすれば残念だ」と述べた。【姜弘修】
毎日新聞 2011年8月3日 地方版