韓国・鬱陵島視察を計画していた自民党議員一行が1日、ソウル・金浦空港で入国拒否された事件で、訪韓メンバーの紅一点、稲田朋美衆院議員が夕刊フジの取材に応じた。そこで受けた「待遇」は、およそ友好国の国会議員に対するものとは思えないものだった。
「われわれは穏やかに訪韓するつもりだった。ところが、7月29日に武藤正敏大使が韓国政府に呼ばれた。この時から『入国できるのは半々かな』と思った」
稲田氏はいう。韓国側の異常な興奮ぶり。事前に同国情勢に詳しい人から「刺されるかもしれない」とアドバイスを受け、防刃服まで購入した。デモ隊にもみくちゃにされる場合を予想して、パンツやスニーカー、帽子も準備した。食事ができない場合に備え、往路の機内食をしっかり食べた。カステラもバッグにしのばせた。
1日午前の空港到着後、韓国側に連れて行かれたのは、通常の通関ではなく、ドアが二重になっている別室。身辺警護のため、トイレにも日本大使館の職員が同行するなど、ピリピリした緊張感が漂っていた。
そして、同日午後4時、韓国側は看守が監視する窓のない部屋への移送を通告してきた。日本の留置場のような部屋で、韓国側は日本の国会議員を犯罪者扱いしようとしたのだ。
それ以前に移送は計画されていたようで、稲田氏は「日本大使館員が気を利かせて、午後1時半ごろ『昼食は何にしますか?』と聞いてくれた。私は冷麺を頼んだが、食事が届いたのは2時間以上たってから。韓国側は(留置場のような)別の部屋に食事を運んでいたらしい」と明かす。
デモ隊に自分の写真が焼かれ、踏みつけられ、棺おけまで準備されたのには大きなショックを受けたという。
「日本ではとうてい考えられない異常さだ。友好国の議員に対するあの憎しみは、どこから来るのか」
それでも稲田氏はひるまない。
「今回、われわれは党務で行った。9月に日韓議連が訪韓するが、目的は永住外国人参政権について話し合うためと聞いている。われわれとはスタンスが違う。平沢(勝栄衆院議員)さんも訪韓すると言っているし、私もまた必ず行きますよ」
やまとなでしこは、どこまでもしなやかで強い。(政治ジャーナリスト・安積明子)