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2011年8月4日11時36分

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日立・三菱重工が事業統合へ交渉 合意至らず発表中止

 日立製作所と三菱重工業がエネルギーや社会インフラなど一部の事業の統合に向けて交渉していたことがわかった。両社が力を入れる原子力発電事業は東日本大震災で先行きが不透明になり、他の事業の収益も円高などで厳しい。互いに得意な技術を持ち寄り、競争力を強化する狙いがあるとみられる。

 両社は発表に向けて最終的な事業の詰めを進めていたが、4日朝、日本経済新聞が「(両社が)経営統合へ向け協議を始めることで基本合意した」と報じたことで意見の相違が表面化。三菱重工は同日午前、「統合について、当社が決定した事実もありませんし、合意する予定もありません」と否定するコメントを発表。日立製作所広報・IR部も、「そのような事実はありません」とのコメントを出した。

 事業統合交渉は今後も継続するが、報じられた経営統合協議については否定した形で、予定していた4日の発表は見送る。

 両社が統合する事業の候補は環境技術やIT、社会インフラなどで、具体的には、太陽光や風力など再生可能エネルギーを活用した発電や、鉄道車両の運行システムなどを念頭に置いていた。

 こうした事業を組み合わせた開発計画を策定し、両社が共同で新興国に売り込むことも想定。2013年春をめどに、両社の折半出資で新事業を担う会社を設立し、両社から対象の事業を移す案が浮上していた。

 両社はすでに昨年6月に海外での鉄道事業で提携し、同7月には三菱電機を加えた3社で水力発電機器事業を統合することを決めるなど関係強化を進めていた。今回の構想では、さらに幅広い連携を想定。大震災後の東京電力福島第一原発事故で、両社の主力事業の原子力発電事業の先行きが見通せなくなり、新たな成長事業が必要になっていたことが背景にある。

 日立の中西宏明社長は4日早朝、記者団に対して三菱重工との交渉の事実を認め、「夕方発表します」と明言していた。

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