<話題>厳し過ぎる中国のゲーム規制、日本企業の進出に壁
2011/07/22 09:33
アジアのインターネット大国「中国」。2010年のオンラインゲーム利用者数は3億400万人にも上り、その市場規模は323億元(約4189億円)にまで成長している。日本のゲームメーカーにとっても、中国は有望市場。大手を中心に中国市場への参入を進めるが、今のところ大きな成果は見られない。そこには、中国特有のゲーム事情があるためだ。
中国政府は、オンラインゲームについて厳しい規制を実施している。これは、オンラインゲームに対する暴力やポルノなどの有害な内容を含むゲームの存在、学校に行かずに違法なネットカフェに入り浸る青少年の増加などの問題が起こり、オンラインゲームに対する社会批判が高まったことが背景にある。
例えば、05年8月に政府の新聞出版総署が公表した「オンラインゲーム熱中防止システム開発基準」では、ロール・プレーイング・ゲームの場合、ゲームのプレー時間を3区分し、3時間以内は経験値やアイテムは通常通り獲得できるが、3時間から5時間は獲得した経験値やアイテムはすべて半減する。5時間以上は獲得した経験値、アイテムはゼロとなるように、ゲーム内容の変更を求めた。
このように、中国では政府がゲーム開発メーカー、オンラインゲーム運営者などに対して、詳細な法律と規則を定め、規制を実施している。これが日本のゲームメーカーなどが中国に進出するにあたって、大きな障害となっている。
昨年9月、スクウェア・エニックス・ホールディングス(スクエニHD)
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は、盛大遊戯(シャンダゲームズ)と提携し中国市場に参入すると発表した。しかし、「オンラインゲームでの参入を目指しているが、スタートは現段階では未定」(広報)という。同時期に中国進出の話が出たカプコン
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も「検討中で公表できる段階にない」(広報)としている。
業界関係者によると、日本のゲームメーカーが中国に進出しようとした場合、中国のさまざまな法規制が大きな障害となり、これをクリアするために、現地企業との提携や合弁といった形式を取らざるを得なくなるという。実際に、スクエニHDは盛大遊戯と、カプコンは現地の主要企業と交渉していると言われている。また、中国でのスマートフォン(多機能携帯電話)を中心とした携帯向けにゲームなどの配信を目指すNTTドコモ
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は、中国のインターネット検索最大手、百度(バイドゥ)と合弁会社設立を発表している。
なお、7月14日に中国での子会社設立を発表したグリー
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では、子会社の主な事業内容として、「アジアにおけるゲームデベロッパーとの協業や開発支援等」としか発表していない。モーニングスターでは数度、取材の申し入れを行ったものの、担当者から一切の連絡はなく、事実上、取材を拒否された。おそらく、取材を拒否しなければならない何らかの理由があるのだろう。(鈴木 透)
提供:モーニングスター社