ネットマーケティング
■SEO(サイト分析・サイト管理) ■ネット広告・SEM(リスティング/バナー/タイアップ) ■メール広告、メルマガ配信 ■リアルとの連動(展示会・セミナーの企画) ■ネット・アンケート ■情報収集、市場調査 B2Bビジネスにおけるインターネット・マーケティング (1)Webを利用した効果的なプロモーション @目的の明確化
広告・宣伝の最終目的が「売上増」「利益増」にあることはいうまでもありませんが、プロモーション対象となるサービス(商品)の種類、または成約を目的とする商取引の形態、さらには、認知度向上(ブランディング)を目的とするのか…とか、成約には至らない問い合わせレベルを「効果」とみなすのか…など、細かい部分を詰めた上でマーケティングのベストプラクティスを探りましょう。
Aサイトへの誘導
まずはサイトのSEOが基本となります。
リスティング広告などで、サイトのクリック数を上げるには継続的なコストがかかりますが、SEOによってサイトのクリック数を上げるのは、基本的にイニシャルコストのみです(むろん一定レベルの継続的な作業も必要ですが…)。まずは、WebサイトをSEO面で再構築するところからスタートするのが基本となります。そのために、アクセス解析などもより徹底します。 次いでLPO(ランディングページ最適化)も重要です。ランディングページ(ユーザーが広告をクリックした後に最初に訪問するページ)のクリック状況やパスを収集し、ユーザはどのくらいの確率でどこをクリックしているのか?やユーザはどこのページからどこに移動しているのか?を調べ、さらにフォーム部分の分析によって、ユーザはフォームでどのような行動をするのか?…を調べる必要があります。 最近では、アドワーズやオーバーチュア、ルックスマートに代表されるリスティング広告(検索結果画面への有料広告)が、コストパフォーマンスの良さやリーチ率の高さで喧伝されています。また、アドワーズのようなPPC型の課金は、やり方によっては余計な費用がかからない点が好まれているようです。一方でオーバーチュアに代表されるスポンサードサーチの場合は、さらにクリック率が高まる可能性がありますが、取扱商品の内容によっては検索ワードのコストは高くなる傾向があります。他にバリューコマース社の「マッチスマート」のような方式(キーワードではなくURL登録)もあり、こちらであればサイト内の特定のページへの誘導数の増加を図ることができるので、業種やビジネスモデルによってはアドワーズよりはB2Bビジネスに向いているかもしれません。ちなみに、バナー広告は基本的にB2Cビジネス向きの広告手法です。 いずれにせよ、「自サイトのアクセス数あたりの成約数、またアクセス数あたりの資料請求数」…を把握しておかなければ、サイト誘導型の広告のコストパフォーマンスを判断できません。 B2Cにおける有効性や、B2Bでも比較的競争相手が多い商品やサービスを扱うケースでは、確かにリスティング広告によって効率的なプロモーションを行うことが可能です。しかし、いくつかのB2Bビジネス、例えばシステム開発やソリューション提供といったビジネスを想定した場合、リスティング広告には、いくつかの問題点があります。 ・B2Bビジネスにおけるリスティング広告の有効性への疑問
B2Bビジネス、しかも商品・サービスの単価が高いシステム導入サービス等において決定権を持つ企業等の担当者が、主たる情報収集手段として「単純な検索順位」を重視するかどうかは微妙です。ターゲットである企業のシステム担当者等が重視するのは、「情報の信頼性」であり、検索の順位ではないでしょう。例えばシステム開発やソリューション提供等のビジネスにおいては、同じWebでもリスティング広告よりもリーチ率が高い手法がありそうです。
・クリックした顧客の成約率(資料請求率)
リスティング広告は、基本的に「サイトへの誘導」を目的としており、サイト誘導以降の具体的な「資料請求」「成約」に至るプロセスは考慮されていない。企業向けソリューションの販促などは、成約まで長い時間と営業資源を必要とするわけで、サイト誘導から成約に至る商談プロセスが長い場合、成約率面での効果を測定しにくい。
Bサイトの役割と機能を見直す
サイトに辿り着いた潜在顧客を、「資料請求」などの具体的な行動へと誘導するのは、サイト自身の役割です。従って、そうした視点からサイト構成を徹底して見直す必要があります。
一般にはサイトに呼び込むまでが広告の役割で、そこから先はサイトの機能の問題なのです。サイトのユーザビリティやナビゲーション、登録・問い合わせのしやすさ、さらには営業へのスムーズな引継ぎなど多くの要素があり、これらを最適化する必要があります。特にサイト内ナビゲーションには留意して下さい。
Cメール広告、メルマガ
メール利用のターゲティング広告については、送信ターゲットのプロファイルを徹底的に吟味する必要があります。ターゲットのプロファイルが適切でありさえすれば、実施費用が比較的安価なメール広告は非常に効率がよい手法となるでしょう。むろん、メルマガ配信も有効な手段です。
いずれにしても、代理店にオプトインメール(ターゲティングメール)を依頼する前に、社内で蓄積されたメール送信可能な潜在顧客データを見直し、自前でやれることはやる…というスタンスが重要。また、効果的なメールやメルマガの内容や作り方に関するノウハウを学ぶ必要があります。
DWeb2.0の活用
注目のWeb2.0です。B2Bビジネスのマーケティングにおきても、Webの持つ双方向コミュニケーション特性を利用したWeb2.0ライクなプロモーション展開が可能です。
ソリューション販促や企業向けのシステム販売等においては、商談に至るまでのプロセスで潜在顧客とのコミュニケーションが重要となる商品やサービスを提供している場合、Web2.0的な手法は、ベンダーとユーザーのやりとりの中で信頼性を獲得していく手段として有効利用できる可能性が高いと考えられます。当面は、ビジネスBlog、会員制サービスコミュニティなどに注目です。
Eタイアップ広告、記事広告
B2Bビジネスにとって最も効果的で、なおかつ潜在ユーザ側の利便性も高く、結果的に利用ケースが多いのがタイアップ広告、記事広告。今回のケースでも、まずはタイアップ広告、記事広告が基本となります。
ただWebの場合、B2C向けの媒体は多いのですが、B2B向けのWeb媒体は非常に限られており、選択肢はけっして多くはない状況です。媒体が限られているため、競合各社と企画がぶつかることも多く、類似のタイアップ広告の中で埋もれやすい点に留意が必要です。ただ、実際に出稿した当社のクライアント各社から「一定の効果と実績」を評価する声が多いことは確かです。
(2)広告宣伝での効果的プロモーション
@活字媒体の見直し
広告宣伝全般となると、今回のケースでは主に「活字媒体の有効利用」方法を探る…ということになりそうです。雑誌、専門紙を中心にターゲットへのリーチ率を重視して成約率の高い媒体を選定するという面ではWeb媒体と同じですが、ターゲットの特性を考えると、プロモーション対象によっては、Web媒体よりも効果的な利用形態もありそうです。選択対象となる媒体がかなり限定される点、タイアップ広告・記事広告が有効な点なども、Web広告と同じです。
Aリアルとの連動
リアルとの連動もポイントになります。B2Bビジネスにおけるリアルとは、やはり展示会やセミナーなどによる対面プロモーション活動。活字媒体とWebも含めた「メディアミックス」の形でうまく連動をとる必要があります。
(3)費用対効果の測定方法
Web広告分野では、 ・CPC(Cost Per Click:クリック当たり単価) ・CPM(Cost Per Mill:1000回広告が表示されるための単価) ・CTR(Click Through Rate:インプレッション数÷クリック数) ・CVR(Conversion Rate:クリックしたユーザーが実際に顧客になる割合) ※B2Cで有効 …など、様々な効果測定指標が存在します。ただ、これらの一部については「具体的な売上げ増」の形で広告効果が出なかったケースにおけるWeb広告系代理店、特にSEM(Search Engine Marketing:検索エンジンマーケティング)を売り物にする代理店の「言い訳」に使われる場合も多いので、注意が必要となります。先に述べたように、仮にクリックあたりの単価が低く効率的な広告…という結果が出たとしても、それが成約や売上げに結びつかなければ何の意味もありません。 広告宣伝の目的をどこに置くか…によって、対費用効果の計算は異なります。B2Bビジネスの場合は、ECサイトのような明確な効果測定結果を得ることは難しいかもしれません。最終的には「利益」、特に営業利益(営業収益=売上高−営業費用=売上原価と販売費及び一般管理費)をベースに計算すべきです。すなわち、プロモーション実施期間に増加した営業利益に占める広告・プロモーション費用の割合…こそが、最も重要な指標となります。 しかし、営業利益の算出は面倒で決算を待たなければ細かい数字が出ないこともあり、リアルタイムの効果測定は難しいのが現実。また、広告の出稿目的(認知度向上等)によっては、広告効果をすっきりと計算できない場合もあります。こうしたケースでは、 ・CPA(Cost Per Acquistion:顧客獲得単価) ※「顧客」の意味によって変化 ・CPO(Cost Per Oeder:成約1件にかかる費用) ・CPI(Cost Per Inquiry:資料請求発生単価) …などを、広告効果測定の指標とします。 |