おぼれた男性に人工呼吸、名も告げず立ち去った女性に絶賛＝中国

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重慶市内で7月27日、高齢の男性が川におぼれた。男性は引き上げられたが、意識を失っていた。取り囲んだ人の中から、若い女性が歩み出て人工呼吸を始めた。救急車が到着すると、女性は名も告げず去った。中国全土から、女性に対する称賛の声が相次いだ。

　重慶市内で7月27日、高齢の男性が川におぼれた。男性は引き上げられたが、意識を失っていた。取り囲んだ人の中から、若い女性が歩み出て人工呼吸を始めた。救急車が到着すると、女性は名も告げず去った。インターネットで救命活動をする女性の様子が紹介されると、中国全土から称賛の声が相次いだ。中国新聞社などが報じた。

　男性を水から引き上げた人々は、水を吐かせるところまでは行ったが、それ以上の処置が分からず、消防や警察に連絡するばかりだったという。取り囲んだ人々の中から若い女性が歩み出て「私にまかせてください。やってみます」と言い、人工呼吸を始めた。しばらくして、心臓マッサージも行った。

　救急車が到着すると、女性は自分の名も告げず、オートバイに乗って去った。現場の写真がインターネットで公開されると、「最も美しい娘」などとする称賛の声が、全国から相次いだ。女性の措置が「きわめて専門的だ」との指摘はあったが、女性の身元などは分からなかった。

　その後、女性は同市の酉陽県人民病院に看護師として勤務する余書華さんと分かった。救急隊として現場に急行した羅鋭医師は「人工呼吸の際に、本来ならば口と口の間に布をはさむ。感染症の防止の意味もある。男性を救おうとした女性は緊急時であるため、リスクをおかして直接口をあてた。同業者として心がひきしまる思いで尊敬する」と述べた。

　羅医師によると、「救命措置に手を尽くしたが、男性は残念ながら死亡した」という。（編集担当：如月隼人）