【千葉】事故減少 走りだし上々 県内初 自転車専用レーン設置4カ月
自転車の事故防止や利用促進などの目的で千葉市中央区千葉港−美浜区幸町の市道(京葉線通り)に設けられた県内初の自転車専用レーン(全長約二・八キロ)。三月二十五日の運用開始から四カ月がたった。設置主体の千葉市の調査で自転車利用者が増えたとの結果が出る一方で、県警の調べでは自転車が絡む事故は減少し、「上々の滑り出し」(県警幹部)としている。 (那須政治) 自転車専用レーンは、片側一車線の車道幅を四・五メートルから三・五メートルに狭め、一メートルの路肩を二メートルに拡大して整備した。青く塗られた路面が目印。一方通行が義務づけられ、自転車以外の車両の進入は取り締まりの対象だ。 レーン設置区間の下り車線側では全域に幅五メートルの歩道があり、数本の道路と交わる一方、上り車線側では歩道はJR千葉みなと駅周辺以外にはなく、上下線で設置環境が異なっている。 千葉市が区間内の二地点(千葉みなと駅前、市立幸町一中脇)で五月と昨年四月の交通量(晴天日の十二時間)を比較したところ、上下線を合わせた自転車の交通量は20%増加していた。 レーンと歩道のどちらを使用するかについては、市立幸町一中脇では上下線で計42%の自転車がレーンを利用。一方、千葉みなと駅周辺はガードレールで自転車がレーンから歩道に行き来することができないことから17%と低調だった。 下り車線で歩道と専用レーンを併用していた男性(50)は「レーンは走りがスムーズ」と評価する一方で、「大型トラックも通るから少し怖い」とも。歩行者がいれば専用レーンを走り、いなければ歩道を走るという。 レーンを使わず、歩道を走っていた主婦の増渕キヌさん(70)は「(歩道と接する区間がほとんどない)上りは、いざというときの『逃げ場』がなくて怖いので歩道を使う。下りは併用します」。別の男性(47)は「恐怖心はない。広くて歩行者もいないから快適」と話していて、個人差があるようだ。 県警によると、昨年十〜十二月に約三十件あったレーン設置区間での自転車と車の接触事故は、設置後の四カ月間では十数件にとどまった。現段階でけが人は出ていない。 県警交通規制課は「まだ四カ月。今後の推移を見るべきだ」と冷静だが、「車のドライバーも自転車の存在を意識するようになり、歩道を走る自転車が減ることで、歩行者と自転車の事故も減らせる」と期待している。 PR情報
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