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【茨城】

「関東に原発無理」 東海村の村上村長 「第二」の運転に難色

 東海村の村上達也村長は二日、「地震多発列島(の日本)で原発を抱えてきたこと自体、正気ではなかった。特に人口規模や政治・経済活動などを考えれば、ここを含めて関東地方に原発は無理だ」と話し、同村内にある東海第二原発の運転に難色を示した。

 同村内で開かれた日本原子力学会主催のシンポジウムの講演後に見解を述べた。同原発は日本原子力発電が事業者で、十一月まで定期点検中。

 村上村長は「短期的なことと長期的なことは違う」として即座の稼働停止を明言しなかったが「日本原電をどうするかも含めて国にきっちり考えてほしい」などと話し、将来的に脱原発を進めるとの姿勢をみせた。

 同村は東京から約百十キロ。研究機関も含めた原子力関連施設が十一あり、約三千五百人が働く。村上村長は「原発マネーで発展してきたと言われれば事実だが故郷や子どもたちの未来と等価交換はできない」とした。

 シンポの講演でも「東海村で(福島第一原発事故と)同じことが起きたら我々はここにいなかった可能性がある。三十キロ圏内にいる約百万人はどうなっていたか。ぞっとする」などと話した。

 東海第二原発は東日本大震災で外部電源を二つとも失い、約五・四メートルの津波に襲われて三つある非常用発電機の一つも浸水した。県の指摘で二〇〇七年に約六・一メートルに防潮堤を上げて残り二つは浸水を免れた。同原発の三十キロ圏内には約九十四万人が暮らす。 (井上靖史)

 

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