【NQNニューヨーク=増永裕樹】1日のニューヨーク外国為替市場で、円相場は3営業日ぶりに反落した。前週末比40銭円安・ドル高の1ドル=77円10~20銭で取引を終えた。一時76円29銭と3月17日に付けた最高値(76円25銭)に迫ったが、日本政府・日銀による円売り介入への警戒感がじわりと拡大。最近の上昇が目立っていることもあり、目先の利益をひとまず確定する目的の円売りが優勢となった。
円が最高値に迫るなか、「政府・日銀は、円高是正に向けた緊急策の検討に入った」との日経ニュースがQUICK端末などを通じて伝わった。「米当局が日本政府による円売り・ドル買いの市場介入を事実上容認する姿勢を示していたことが明らかになった」との報道もあり、一段の円買いに慎重な雰囲気が強まった。
ただ、中長期では円高基調が続くとの見方も根強かった。米与野党指導者は米連邦債務の上限引き上げで合意したが、米国債が最高位のトリプルA格を失うとの懸念はくすぶる。午前発表の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数など米景気の減速を示す経済指標も相次いでおり、円売り・ドル買いの勢いは限られた。
ニューヨーク市場の円の安値は77円28銭だった。
円は対ユーロで4日続伸し、前週末比40銭円高・ユーロ安の1ユーロ=110円00銭~10銭で終えた。1日発表の7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)で、ユーロ圏17カ国は3カ月連続で低下した。欧州景気が減速しているとの懸念から、円買い・ユーロ売りが続いた。一時108円74銭と3月17日以来の円高・ユーロ安水準を付けた。
ユーロは対ドルで反落し、前週末の1ユーロ=1.44ドルちょうど程度から1.42ドル台半ばまで水準を切り下げた。景気減速懸念などを背景に運用リスクを回避する姿勢が強まり、投資家が金利の低いドルで資金を調達してユーロで運用する動きを解消。ドル買い・ユーロ売りが優勢となった。ユーロの安値は1.4185ドル、高値は1.4426ドルだった。
ニューヨーク外国為替市場、円相場、日銀、日経
日経平均(円) | 9,637.14 | -207.45 | 3日 大引 |
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NYダウ(ドル) | 11,734.28 | -132.34 | 3日 10:47 |
英FTSE100 | 5,568.76 | -149.63 | 3日 15:47 |
ドル/円 | 76.86 - .88 | -0.36円高 | 3日 23:41 |
ユーロ/円 | 109.74 - .78 | +0.16円安 | 3日 23:41 |
長期金利(%) | 1.015 | -0.025 | 3日 14:09 |
NY原油(ドル) | 93.79 | -1.10 | 2日 終値 |
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