身代金目的略取などの罪に問われた金沢市大額1、元暴力団組員、上出忠典被告(46)の裁判員裁判の第2回公判が2日、金沢地裁(神坂尚裁判長)であった。上出被告と共謀したとされる元暴力団組員、広瀬保明被告(48)ら、2被告が証人尋問で「上出被告は、いやいや事件をやったのではない」などと述べ、「広瀬被告に逆らえずに事件に関与した」とする弁護側主張を否定した。
弁護側は「上出被告は広瀬被告に誘われて暴力団に所属。広瀬被告が事件を計画・指示し、上出被告は広瀬被告や暴力団組織への恐怖から断れなかった」と主張している。
共謀したとされる広瀬被告は証人尋問で、上出被告が暴力団に所属した経緯を「会社が倒産して頼ってきた。誘っていない」と証言。身代金は3等分の予定だったと明かし、「3人の私欲で事件を起こした。全てをざんげしてほしい」と上出被告に語った。
また、無職、佐賀(旧姓・北條)富士男被告(53)も「上出被告が広瀬被告の命令に逆らえなかったとはいえない」と述べた。
毎日新聞 2011年8月3日 地方版