■ Battleline – A Reiner Knizia game
互いにタイルを出し合ってフラッグを奪い合うカードゲーム。5つのフラッグを奪うか連続した3ヵ所のフラッグを奪えば勝ち。
互いにタイルを出し合ってフラッグを奪い合うカードゲームです。 場にある9つのフラッグの前に順番にタイルを置いていきます。置いて出来たタイルの役を相手と比べて、勝ったほうがフラッグを獲得することが出来ます。先に5つのフラッグを奪うか、連続した3ヵ所のフラッグを奪うと勝ちになります。
この「バトルライン/Battle Line」というゲームは2人用のカードゲームです。作者は「Reiner Knizia/ライナー・クニツィア」。2人用のカードゲームとしては最高傑作と言われています。とてもシンプルなルールでわかりやすく、しかしそこはKnizia、悩み所と戦略性、イヤらしさが満載のカードゲームです。
そんな「バトルライン/Battle Line」のiPhone / ipod touch版です。
このゲームは簡単に言うと、互いにオープンにしながら役を作るポーカーや麻雀のような感じのゲームです。
とりあえず、プレイしながら説明していきます。
これがゲーム画面です。手元にあるのが自分の手札です。これは7枚あります。
中央にあるのがフラッグです。これは9本あります。これを相手と奪い合うわけです。右にあるのが山札で、左にあるのが戦略カードになります。
自分の順番ですることは
・タイルか戦略カードを出す
・タイルか戦略カードを補充する
これだけです。カードゲームですからこんなものです。
注意点は必ず「タイルを出す→補充する」の順番だということです。
まず自分の番が来たら、手元にある軍隊タイルを1枚場に出します。
軍隊タイルはドラッグして好きなフラッグの場所に置くことが出来ます。
軍隊タイルは6色あり、それぞれ1から10までの数字で計60枚あります。
真ん中に「緑の10」の軍隊タイルを置きました。
タイルは手番中であればいつでも手元に戻すことが出来ます。
中央のフラッグの前にもう一度出しました。先ほど書いたようにプレイは「タイルを出す→補充する」の順番で行います。つまり「補充する」が自分のプレイの終了を意味します。
画面内のタイルが黒いところと黄色いところがあります。黄色いところがプレイ可能な場所になります。今「緑の10」を置いたので、次は右の山札か左の戦略カードのどちらかを補充することになります。これはどちらを補充しても構いません。
とりあえず、右の山札をタップして1枚補充します。これで自分の順番は終了です。
「オレンジの3」を補充しました。相手も同じようにプレイします。
今度は「緑の8」を先ほどの「緑の10」の上に乗せてみました。タイルは各フラッグの前に3枚まで置くことが出来ます。
そしてその3枚で相手と競い、勝ったほうがフラッグを獲得することが出来ます。
タイルの役はこんな風になっています。
まずは「同じ色」で「連続した数字」です。バトルラインでは「ウェッジ」といいますが、ポーカーでいうところのストレートフラッシュですね。これが最強の役になります。
次は「同じ数字」で3枚です。「ファランクス」です。ポーカーでいうところのスリーカードです。色は何色でも構いません。
次は「同じ色」です。「バタリオン」です。ポーカーでいうところのフラッシュです。数字は何でも構いません。
次に「連続した数字」です。「スカーミッシャー」です。ポーカーでいうところのストレートです。色は何でも構いません。
最後は「違う色」で「連続していない数字」です。「ホスト」です。いわゆるブタですね。これも立派な役です。
役の強さはこうなっています。「ストレートフラッシュ>スリーカード>フラッシュ>ストレート>ブタ」です。スリーカードがフラッシュの上にある以外はポーカーとほぼ同じです。互いに同じ役になった場合は、数字が大きい方が強いです。
これらの役を作って相手とフラッグを取り合うわけです。
さて戻って今「緑の8」を重ねたところです。当然、「ストレートフラッシュ」狙いですね。置くカードの並びは関係ありません。
今度は右側のタイルではなく、左の「戦略カード」を引いてみましょう。タイルを置いてから補充するときは、軍隊タイルでも戦略カードでもどちらでも好きな方を補充することが出来ます。
引いてきたのは「リーダー」でした。戦略カードは10枚あります。どれも非常に強力なカードです。
10枚の「戦略カード」は以下のようになっています。
「リーダー」です。これは任意のタイルとして使えるオールマイティーになっています。これは2枚あります。
「援軍騎兵」です。これは数字の8として使用することが出来ます。色は好きな色で使えます。
「盾」です。これは数字の1か2か3のどれかとして使用することが出来ます。色は何色でも使えます。
「霧」です。これはフラッグに対して使います。霧を使うとそのフラッグで作った役が無効になり、3枚のタイルの数値の合計で戦うことになります。
「沼」です。これもフラッグに対して使います。沼を使うとそのフラッグでは3枚ではなく4枚のタイルで戦うことになります。
「偵察」です。これを使うと山札のタイルを3枚引いて手札に入れてから好きなタイルを2枚戻すことが出来ます。
「配置転換」です。これを使うと自分が置いた軍隊のタイル1枚を、違うフラッグの自分の軍隊の位置に移動させることが出来ます。また破棄することも可能です。
「脱走」です。これを使うと相手の置いた軍隊タイルを1枚破棄することが出来ます。
「裏切り」です。これを使うと相手の置いた軍隊タイルを1枚、自分の軍隊に加えて置くことが出来ます。
以上、9種類、10枚のカードが戦略カードになります。
また戻りましょう。先ほど引いたのは「リーダー」でした。「リーダー」はオールマイティーとして使えます。
そうです。ここの中央に置けば、「リーダー」は「緑の9」として使うことが出来ます。するとストレートフラッシュの完成ですね。
役が完成したのでフラッグを獲得することが出来ました。このようにフラッグの前で3枚のタイルを置き役を作ってフラッグを取り合います。
そして9本あるフラッグのうち、5本を取るか、連続した3本を取れば勝ちになります。
さて「リーダー」を置いてまた「戦略カード」を引きました。引いたのは「霧」です。しかしよく見ると「霧」のカードは黒いままで、黄色く使用できるようになっていませんね。
ここで右の山札の下の数字を見てください。「0」になっていますね。これは「相手が戦略カードを使用した数」になっています。
「戦略カード」は非常に強力ですが、実は使用制限があります。それは「相手が使用した戦略カード+1」枚までしか使用できないというものです。
最初は相手も自分も0でした。ですから+1枚の1枚戦略カードが使用できました。しかし、今は相手が0のままですから、使用制限は1枚のままです。相手が戦略カードを使えば右下の数字が1になり、+1の2枚まで使用することが可能になります。つまり、このまま相手が戦略カードを使わなければ、ずっとこの「霧」のカードは使用することが出来ないのです。
相手が「赤の4」と「赤の6」を置いたので、もしかしたらストレートフラッシュ狙いかもしれません。手元には3が3枚ありますからスリーカードを狙ってこの場所に置いてみましょう。
「黄色の4」を引いてきました。相手は「黄色の5」を出しました。どうやらストレートにしたようです。そうすると3の3カードを作ればこちらは勝ちですね。
とりあえず右から2列目に浮いている感じの「赤の2」を置いてみました。
相手は戦略カードを引いてから「黄色の7」を置きました。何を狙っているのでしょう?中央だからやはりストレートフラッシュでしょうか?
よくわからないので、今度は左から2列目に「黄色の4」を置きました。
あっ!相手が「黄色の6」を重ねました。やはりストレートフラッシュ狙いです。でも自分で「黄色の5」を使っているのでなんだかマヌケですね。残りは「黄色の8」しかありません。
こちらも慌ててそこの場所にカードを置きに行きます。
実はフラッグの勝利が確定してしまうとそこにカードは置けなくなります。中央はすでに勝敗が確定しているため、「オレンジの2」のところには相手はカードは置けないわけです。
このゲームはカードが溢れてしまうことの方がやっかいなので、無駄な空きを作りたくないのです。次に「黄色の8」を置かれてしまったらもうなす術はないのですが。
あ!相手が戦略カードを使って山札を3枚取って調べ始めました。どうやら先ほど取ったのは「偵察」だったようです。もしかしたら「黄色の8」を探したのかもしれません。
こちらもストレートフラッシュ狙いで「青の7」を乗せます。そして右下を見てください。「偵察」を使ったので数字が1になっています。これで2枚目の「霧」が使用できるようになります。
相手は「紫の9」を置きました。どうやら「黄色の8」はなかったようですね。こちらの「霧」も使えるように黄色くなっています。
そして引いてきた「赤の3」を右から2列目に乗せます。ここもストレートフラッシュ狙いです。こちらの方が1と4で揃えることが出来るので手は広いのですが、残念ながら「赤の4」はすでに相手に使われています。ですから残りは「赤の1」のみ。フラッシュでもストレートでも取れればもうけものという感じです。
相手は「オレンジの9」を置きました。こちらが「オレンジの10」を持っているので最高手にはならないですが、ちょっと不気味です。
あまり置けるカードが無くなってきました。とりあえず先ほどの確定していた3の3カードを置いてみましょう。「オレンジの3」か「青の3」か迷いましたが、勘で「オレンジの3」にしました。
「青の5」を引いてきました。相手が左から2列目の場所に「オレンジの6」を置きました。
「青の1」を左端に置きました。あまり置ける場所がないので捨てタイルみたいなものです。
そしたら「赤の1」を引いてきました!ストレートフラッシュ完成です。相手は左から2列目に「オレンジの5」を乗せました。これまた「オレンジの4」と「オレンジの7」で広い手です。
とりあえず「赤の1」を置いてストレートフラッシュを完成させます。
すると相手は慌てて「青の4」を置きました。
ここで右から2列目で最高の役のストレートフラッシュが完成しましたが、まだフラッグが取れていませんよね。フラッグは勝利が確定しないと取ることが出来ません。「赤の1-2-3」のストレートフラッシュが出来ましたが、同じ役だった場合は数字の大きい方が勝つというルールがあるので、この場合「青の2-3-4」「青の3-4-5」「青の4-5-6」が完成する可能性があり、まだ勝利は確定したわけではないのです。
でもよくみてみると自分の手元に「青の3」「青の5」があります。つまりもう無理ということですね。
「オレンジの3」と「青の3」で迷ったとき「オレンジの3」を先に出したからこそ、この勝ちを導けたともいえますね。
勝ちを確信してニヤニヤしながら右端に「緑の2」を置きます。
相手も「緑の7」を合わせてきます。「緑の8」はすでに使っているので緑の6-5あたりが狙いでしょうか。
「紫の5」を引いてきたので5の3カードを狙ってここに置きます。勝利条件は5本のフラッグ、または3つの連続したフラッグですから、中央のフラッグ、確定している3の3カード、とこの5の場所を取れば勝てることになります。
「緑の6」をひいてきました。すると相手は右端に「緑の5」を置きました。何て運のない相手なんでしょう。
とりあずフラッシュでもいいかもと「青の10」を左端に置きます。
「オレンジの4」を引いてきました。左から2番目のストレートフラッシュの片方を潰したことになります。相手は右端でフラッシュを完成させました。
「オレンジの4」を左から2列目に置いて3カード狙いです。
「オレンジの8」を引いてきました。相手は右から2列目に「青の6」を置きました。「青の5」はしっかりこちらが抱え込んでいます。
ここで満を持してその「青の5」を左から3列目に置きます。
この瞬間、右から2列目での相手の勝利が無くなりましたので、フラッグを獲得することが出来ます。このようにフラッグは役を完成させたときではなく、勝利が確定したときにフラッグを獲得します。
「紫の3」をひいてきました。相手は中央に「黄色の3」を置いてフラッシュを完成させました。
ここで「青の3」を置いてフラッグを獲得します。
「青の2」を引いてきました。優勢に見えますが、実のところは結構危うい状態ではあります。
ひいてきた「青の2」を右端に置いて3カード狙いです。
「紫の8」を引いてきました。相手は「青の10」を置きました。さあ困りました。あまり変なタイルを置きたくないものばかり残ってしまいました。
とりあえず捨てる気持ちで「紫の8」を左端に置きます。
じゃじゃん!来ました!戦いを終結させる「青の8」が!
これを中央に置いて「ストレートフラッシュ」の完成です。
勝利条件は5つのフラッグを取るか、繋がった3列のフラッグを取ることですからこれで勝利です!
と、こんな風な感じで相手の手を予想したり防いだりしながらフラッグを取り合います。
ゲームでは本体を持ち替えて2人で遊ぶことも出来ます。
名前は日本語でもOKです。「@」をタップすれば連絡先から画像を表示されることも出来ます。強さは「Weak」と「Strong」の2種類です。Advanced Gameをオフにすれば戦略カードが無い状態で遊ぶことが出来ます。
iPod内の音楽をかけながらプレイも出来ます。
手を読みながら役を完成させ勝利しましょう!
2011/07/29:追記
ヴァージョン2.0のアップデートによりオンライン対戦機能が追加されました。
まず最初に右の「New User」のところに名前とメールアドレスを入れてGourmet Gameingのアカウントを作成します。「Register」をタップすると記入したメールアドレスにメールが届きます。
届いたメールにアカウント名とパスワードが記載されているので、それを「Existing User」の部分に入力して「Login」をタップします。アカウント名とパスワードのメールはちゃんと保存して無くさないようしましょう。
左に表示されているのが現在接続しているオンラインプレイヤーです。上にある「New Game」をタップします。
「New Game」をタップするとゲームを作ることができます。下の「Game Type(戦略カードの有無)」と「Flag Clame(自分の順番の最初か、自分の順番の最後のどちらで旗を獲得するか)」を設定します。
上のアイコンで部屋のロック、プレイ時間、先手の指定などできます。ロックをかけるときはパスワードを設定します。
ゲームを作ってしばらくすると他のプレイヤーが入ってきてくれました。よかったら右下の「Go」をタップしてゲームスタートです。
プレイヤーの名前の部分をタップすると強さなどを見ることができます。
最初のロビーでプレイヤーをタップするとそのプレイヤーの勝率や強さ、レーティングなどを見ることができます。
これはフランスの方でしょうか、勝率83%となかなか強いですね。
ゲームが作られていないときは右下には何も表示されません。
相手のフランスのプレイヤーがゲームを作ったようです。ゲームが作られるとこのようにロビーの「Open Games」の部分に表示されます。
作られているゲームの部分をタップするとプレイヤー名や設定などを見ることができます。対戦したい場合は下の「Join」をタップしてゲームの部屋に入ります。
ゲームをスタートする場合は右下の「Go」をタップします。大体はこのように「ADVANCED GAME(戦略カードあり)」「START OF TURN(自分の順番の最初で旗を確保)」です。
上に相手プレイヤーが表示されていますね。
自分名前のあたりをタップするとチャット入力画面になります。
「ボンジュール」と入れたいところでしたがスペルが浮かびませんでした。かわりに入力した英語のスペルでさえ間違えてしまいました。
相手はちゃんと正しいスペルで返事してくれました。
残念負けてしまいました。ゲームが終われば右下に「Lobby」のアイコンが出ますので、タップして戻ります。
一応チャットでは日本語も通ります。
ロビーに表示されるプレイヤーの横にはデバイスが表示されています。iPadが多いようですね。右側にある「Live Games」は現在プレイされているゲームが表示されています。
面白いのは、他のプレイヤーが対戦しているこれらのゲームは中に入って観戦することができます。ゲームをタップして情報を表示したあと、左下にある「Observe」をタップします。
そうするとプレイを見ることができます。互いの手札は表示されませんが、人のプレイを見るのはとても面白いですね。ただしチャットのやり取りもすべて表示されてしまうのでゲームを作るとき、発言するときには十分注意しましょう。これらの閲覧禁止は最初のゲームを作るときに選択して設定することができます。
戻るときは画面をマルチタップでダブルタップか、ちょっとよくわかりませんが、とにかく叩いていればこの画面になりますのでここで「Lobby」を選択すれば戻れます。
CPUの弱さだけが難点だったのでこれで解消ですね。やはり対人戦は面白いです。
互いにタイルを出し合ってフラッグを奪い合うカードゲームです。 2人用カードゲームの最高傑作といわれているクニツィアのバトルラインです。
実は2010年12月中にクニツィアゲームがあと3本出る予定なのはReiner Kniziaのサイトで発表されていたのですが(あと2つは「Reiner Knizia’s Labyrinth」「Reiner Knizia’s Through The Desert」です)、そこには「Reiner Knizia’s Schotten-Totten/Battleline」と書かれていて「ショッテン・トッテンとどっちでくるんだろう?こういうときは「ショッテン・トッテン」になるんだろうな」と思っていましたが、よかったですね「バトルライン」できました。
「ショッテン・トッテン」とは「戦略カード」のないリメイク前のカードゲームの名前です。似たような感じのゲームにReiner Knizia’s Knights of Charlemagneがありますが、こちらは4人用バトルラインといわれています。
ゲーム内容はとても単純で、タイルを置いて役を作りフラッグを取り合うだけです。しかしタイルを置いていく中に様々な駆け引きが存在します。どの列がいけそうか、どの列がダメになりそうか。手広く5本確保でいくか、1点集中の連続3本で行くか。ただ先走って役を作っても、それだけで勝てるわけではないのです。自分は無駄を置かず、相手に無駄なタイルをどうやって置かせるか。
タイルを山から取るので運が多分に関係するゲームではありますが、それだけでは勝ちきれない深い読みがこのゲームには存在します。1手もおろそかに出来ないシビアな駆け引きです。
出したタイルは互いに全てオープンになります。ですから相手の取りたいところ、欲しいものがわかってしまいます。最初にポーカーや麻雀に近いと書きましたが、プレイ感としては「7並べ」によく似ています。相手が欲しいものを抱え込んでおくことで、相手の手や役を封じていくわけです。相手は来るはずもないタイルを待ち続け、自ら手を崩して、低い役を作っていくことになります。非情ですね。
しかし注意しなければいけません。相手の欲しいタイルは自分のいらないタイルです。それらを抱え込むことによって、自分の手もどんどん狭くなることを意味します。
ポイントは必ずタイルは置かなければいけないということです。タイルを捨てて入れ替えるということは出来ません。人にあげることも出来ません。相手が欲しいタイルを使ってしまったら、もうそこでやりたい手はあきらめなければなりません。自分で妥協して手を崩して小さい手を作っていく、クニツィアのいやらしさです。
役は3枚で揃います。3枚で揃うので2枚目で役がわかります。なんと2枚目でやりたいことがバレてしまんですよ。バレればそこから相手は簡単に巻き返せます。怖いですね。
ですからバレないように、ハッタリも混ぜてじわりじわりとタイルを置き、自分が本当に欲しいフラッグを曖昧にしながら攻めていくことが必要です。
そんな役作りにさらなる深みを持たせているのが「戦略カード」です。9種類のカードはどれも強力です。「戦略カード」は好きなだけ取ることが出来ますが、使用制限があります。「相手が使用した数+1」というなんともしびれる使用制限です。要するに相手が使用しなければ使うことも出来なくなるのです。
使えない戦略カードは何の意味もありません。持ちすぎるとこれまた手を狭くするのです。
戦略カードの内容についてはあまり触れませんでしたが、使い方としましては、
「リーダー」
オールマイティーですから非常に使い勝手がいいですね。ストレートフラッシュを作るときの決め手で使用すると良いでしょう。相手がタイルを置いてストレートフラッシュを封じたと思ったあとで使用すると効果は抜群です。
リーダーは2枚あるのですが、使うことが出来るのは1枚のみです。
「援軍騎兵」
8として使えますがそれ以外に使い道がありません。でもこれも「8-9-10」のストレートフラッシュを作るときに使えます。
「盾」
これも1-2-3のどれかとして使えますからストレートフラッシュ狙いですね。数字が選べるので「援軍騎兵」よりは使いやすいです。
「霧」
役の無効カードです。使うとそのフラッグの戦いは数字の合計値になります。相手の完成したストレートフラッシュを崩したりして逆転することが可能です。これを使うと「ブタ」でも勝つことが可能です。
「沼」
そのフラッグでは4枚対戦になります。役を壊すことが出来ますが、結局は4枚で役を作らなければいけないのでちょっと難しいカードです。「沼」「霧」は同じフラッグへ使うことが出来ます。
「偵察」
山から3枚選んで手札に入れ2枚を返すカードです。これが結構ポイントで、返す2枚は元から持っているタイルやカードでも構いません。つまり手札にあるいらないタイル・カードを捨てることが可能です。捨てるのは山札にですから、次に相手に取らせるように仕込むことも可能です。
また戦略カードの山も見ることが出来ますし、捨てることも出来ます。
「配置転換」
配置転換はそのまま移動ですが、見逃しがちなのはタイルを捨てることも出来るというところです。
「脱走」
強烈ですね。相手の完成しそうな役を1発で壊せるんですから。ただ壊したあとに自分がちゃんと勝ちきらないとダメです。
「裏切り」
脱走と同じですが、奪った軍隊を自分の軍隊に置くことが出来るので1手得ができるカードです。
どれもこれも、相手の計画を全てひっくり返す事が出来るカードたちですが、それも使うタイミングが重要です。実際は使用制限のためあまりバンバンと使えるものではないので、切り札的な感じで使用するといいと思います。最初に引いてその回の戦略を決めてもよし、最後まで引かないで相手のカードを封じ、手を広くして戦ってもよし、いろんなやり方が出来ます。
ゲームとしては、プレイするものが軍隊カードから軍隊タイルに変わっています。バトルラインということでギリシアのテラコッタのようなグラフィックで描かれていて雰囲気はバッチリです。BGMも重厚ですし、iPod内の音楽をかけてもプレイできます。ドラッグしてタイルを置く音が気持ちいいです。HOMEで切っても途中から続けることが可能です。
またプレイできるところが黄色く光ってわかりやすくなっているところや、戦術カードの使用数、戦術カードの記号が意外とわかりやすくて良いですね。
本体を持ち替えての2人対戦も可能です。日本語の名前や連絡先からの登録も可能です。写真アルバムからのアバター登録は出来ません。
戦略カードのない「ショッテン・トッテン」バージョンも十分面白いですよ。人によってはこちらの方が好みの人がいるかもしれません。
シンプルなカードゲームですが、戦術によって勝敗が大きく変わってしまう駆け引き満載のゲームです。
難点。まずコンピュータが非常に弱いです。強い方を選んでもあっさり勝ちます。本体を持ち替えての対戦も良いですが、せっかくの2人対戦の最高傑作、オンライン対戦、最低でもWi-Fi、Bluetooth対戦をお願いしたかったです。長考もあるし、中断してもやり直せるタイプのゲームですから、CarcassonneやReiner Knizia’s SamuraiのようなPush通知対戦でも十分いけると思うのですが、アップデートに期待です。
そして最大の難点は、アドヴァンスドモードです。ゲームスタート時にこれを選ぶことが出来ますが、これでONになるのは戦略カードの有無です。つまり「ショッテン・トッテン」と切り替わるということですね。それだけです。アドヴァンスルールになるわけではありません。
アドヴァンスルールとは「フラッグ獲得宣言は自分の順番の最初に行う」というものです。これがあるとどういうことが起きるかというと、例えば今の場合だと10を出して「8-9-10のストレートフラッシュが完成」すると自動的にフラッグが獲得されますが、アドヴァンスの場合「獲得宣言は自分の順番の最初に行う」ですから、次の自分の順番の最初にフラッグの獲得になります。
そうするとフラッグを獲得する前に相手の順番が割り込んできますから、戦略カードの「脱走」や「裏切り」で、相手の完成した役をぶち壊す事が出来てしまうのです。なんて怖ろしい。更に臆病になって戦略カードの読み合いが始まり、タイルを出しづらくなるというルールです。
これがないのはスゴく残念ですね。
2011-01-27 追記:アップデートでアドヴァンスルール「獲得宣言を自分の順番の最初」または獲得宣言を自分の順番の最後」のどちらかから選べるようになりました。
手軽にバトルラインが遊べるのは嬉しいですが、何というか全体的にもっとボリュームが欲しかったです。
Gourmet GameingではLost CitiesのPC版もやってるみたいなので、そちらも発売されることを期待しましょう。
ルールの間違いなどありましたらご指摘ください。
シンプルで高い戦略性と読みが必要な非常に面白いカードゲームです。おすすめ。
ボードゲーム / カードゲーム / 対戦思考ゲーム / ストラテジー / おすすめ
価格 / ¥350
カテゴリ / ゲーム
バージョン / 1.0
開発 / Rational Brothers LLC
iPhone、iPod touch および iPad 互換
iOS 3.1 以降が必要
Battleline – A Reiner Knizia game