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何者かが牛舎の牛逃がす 福島原発事故警戒区域
福島第1原発事故で立ち入り禁止となり、家畜の殺処分が進められている警戒区域(原発から20キロ圏)で、畜産農家の牛舎から、何者かによって牛が逃がされるケースが相次いでいる。家畜調査のために入った福島県職員も不審者を目撃しており、県畜産課は「動物愛護の観点から逃がしているのかもしれないが、所有者に無断で行うのは許されない。牛が野生化する危険もある」と訴えている。 県畜産課によると、これまで少なくとも警戒区域内の農家2戸で牛舎の鍵が勝手に開けられ、牛が逃がされていた。うち1戸は所有者の農家が牛舎に連れ戻したが、その後再び、何者かに逃がされたという。 警戒区域内への一時帰宅で牛舎を確認した農家からも、勝手に逃がされたという連絡があった。被害は国道や県道沿いの牛舎に集中している。 5月には、警戒区域内で家畜の調査をしていた県職員が、牛舎の中で牛に注射している男を目撃した。職員は所有者の農家を知っており、別人だったという。何を注射していたのかは不明だが、牛は無事なことから、牛の健康維持のためだったとみられる。 また、警戒区域内の牛舎には「家畜を殺すな」などと書かれた紙も張られており、地元住民以外の何者かが入り込んだのは確実とみられる。 警戒区域内では多くの家畜が飼われていたが、農家が避難して世話ができなくなったため、県は5月末から殺処分を行っている。
2011年08月03日水曜日
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