政治的無能の象徴になった日本

東日本大地震の事態収束で非効率・派閥争い露呈

【鄭始幸(チョン・シヘン)記者】 「米国や欧州連合(EU)の首脳たちのリーダーシップはまひし、日本化している」(英誌エコノミスト)

 「米国の政界はほぼ日本レベルの政治的行き詰まり状態に近づいてきている」(米紙ニューヨーク・タイムズ)

 英米のメディアは「欧米の政治家は無能・非効率性・派閥主義に陥っている」とし、あらゆる問題を包括し形容する言葉として「日本」を代名詞のように使い始めている。深刻な国家的危機や内戦に陥ったわけではないのにもかかわらず、一国の内政がここまで辱められるのは異例だ。

「日本」:政治的後進国の代名詞に

 エコノミスト最新号は、オバマ米大統領とメルケル独首相が富士山をバックに着物を着て、硬い表情をしているイラストを表紙にした。「欧米の政治は日本化している」というカバーストーリーは、米国議会とオバマ大統領が国の破綻危機を人質に債務上限交渉を破局寸前に追いやったことや、EUの大国ドイツが南欧に端を発するユーロ圏崩壊という危機を目の前にしながらも利己的な行動を取っていることを挙げ、分析をしたものだ。「これは20年前、日本経済のバブル崩壊時に日本の政治家たちが見せた、優柔不断で無責任なリーダーシップの再現だ。(中略)特に、米国の債務上限引き上げ問題は、(日本の伝統劇)歌舞伎のように不透明かつ複雑で、両党の姿勢は日本の政治の派閥争いや知的矮小(わいしょう)さそのものだ」としている。

 ニューヨーク・タイムズは1日「債務上限引き上げ問題は妥結したが、グローバル経済のリーダーとしての米国の名声は打撃を受けた」という見出しのトップ記事で「ワシントンの政界は、日本レベルの行き詰まり状態に近づいており、日本や欧州と『財政問題で、どちらの方がより信頼できないスーパーパワーなのか』というゲームをしている」と書いている。米経済誌フォーブスやブルームバーグ通信も「収拾のつかない日本の政治は東日本巨大地震後の復興で最大の障害物となり、投資展望を暗くしている」と相次いで報じた。

大地震後に「奇形政治」露呈

 英米のメディアは、菅直人政権をはじめとする日本の政界が3月11日の東日本巨大地震や福島原子力発電所事故の収拾で、無能・非効率・閉鎖的な派閥争いという本性を露呈した、と指摘している。

 野党と与党の一部が国の危機に乗じて権力争いに没頭し「事態の収拾さえ終われば退陣する」と言っていた菅首相が一時しのぎ的に「脱原発」を掲げ任期を延長しようとしている間に、東北地方の復興作業や食品放射能汚染問題の解決が遅れているというわけだ。

 米国の公共ラジオ「ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)」は「日本の世襲政治家たちの現実感欠如や派閥争いは、第2次世界大戦後に保守系である自民党の一党独裁が半世紀以上も続き、きちんとした民主主義が定着しなかったため」と指摘している。また、エコノミストは「一度間違った形で定着した政治文化は、時間がたつほど修正が難しくなることや、順調だった経済も混乱する可能性があることを、日本は示している」と指摘している。

「日本化‐負債、デフォルト(債務不履行)、そして西欧の新たなまひ政治」という見出しで、オバマ米大統領とメルケル独首相に日本の伝統衣装「着物」を着せ、両国の政治状況を日本に例え風刺した英誌エコノミストの最新号表紙。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事
記事リスト

このページのトップに戻る