2011年6月3日 21時49分 更新:6月3日 23時19分
東京電力福島第1原発で復旧作業に当たる同社社員2人の累積被ばく量が、厚生労働省が同原発に限って緊急に引き上げた年間上限である250ミリシーベルトを超えた可能性がある問題で、東電は3日、2人の累積被ばく量は最大約654~659ミリシーベルトになるとの推計結果を発表した。少なく見積もっても284~289ミリシーベルトで、上限超えは確実となった。東電は同日、厚生労働省に報告した。
東電によると、2人は30代と40代の男性。5月23日に内部被ばくを調べた結果、甲状腺からヨウ素131による高い放射線量が検出された。放射線医学総合研究所が聞き取り調査に基づいて2人の内部被ばく線量を推定した結果、30代社員が580~210ミリシーベルト、40代社員が570~200ミリシーベルトだった。2人の外部被ばく線量を足し合わせると、30代社員が653.71~283.71ミリシーベルト、40代社員が658.7~288.7ミリシーベルトとなる。
同原発では3月12~16日、1~4号機で水素爆発や火災が起き、大量の放射性物質が飛散した。東電によると、2人はこの時期、主に3、4号機の中央制御室で作業していたマスクの着用が不十分で、高濃度の放射性物質を含むちりなどを吸った可能性があるという。
東電の松本純一原子力・立地本部長代理は3日の会見で「累積線量が250ミリシーベルトを超えたのは確実」と話した。【河内敏康、関東晋慈】