不信任案否決:菅首相の姿勢 鳩山氏が「ペテン師まがい」

2011年6月3日 11時47分 更新:6月3日 12時58分

鳩山由紀夫前首相=2011年6月2日午後、森田剛史撮影
鳩山由紀夫前首相=2011年6月2日午後、森田剛史撮影

 菅直人首相が2日の記者会見で早期退陣を事実上否定したことについて、首相に早期退陣を促していた鳩山由紀夫前首相は3日午前、東京都内で記者団に「(内閣)不信任(決議)案が出る直前には『辞める』と言い、否決されたら『辞めない』と言う。ペテン師まがいのことを首相がしてはいけない」と強く批判した。菅内閣の閣僚でも、松本龍環境相が6月末までの辞任に言及。退陣時期を巡る対立は、さらに尾を引きそうだ。

 菅首相は3日午前の閣僚懇談会で、通常国会の会期について「事実上の通年国会になる可能性がある」と大幅延長を示唆した上で、提出を見送っていた法案を積極的に提出するよう各閣僚に指示した。

 与謝野馨経済財政担当相は閣議後会見で「菅内閣はずっと続くことを前提に仕事をやっていく。職にとどまる努力をするのは、政治家として当たり前だ」と首相を擁護。中野寛成国家公安委員長も「私は退陣表明と受け止めていない」と述べた。

 枝野幸男官房長官は会見で「皆さんの認識がずれているのは大変残念なこと」と述べた上で、退陣時期について「まさに首相の専権事項だ」と強調した。

 一方、松本環境相は「文脈を理解すれば『一日も早く退陣した方がいい』となる。私の頭の中には6月いっぱいというのがある」と述べ、月内の退陣の必要性に言及した。

 鳩山氏は同日朝「人間の基本にもとる行為をされるなら、即刻辞めていただくように導かなければならない」と記者団に強調し、両院議員総会の開催を求める考えを示した。ただ、不信任案の採決を欠席した小沢一郎元代表に近いグループは、現時点では様子見の姿勢。議員の一人は「昨日納得して矛を収めた以上(すぐには)動けない」と語った。

 野党側は反発を強めている。自民党の谷垣禎一総裁は3日の総務会で「リーダーが進退を表明しておきながら、いつまでも居座るのはいかがなものか。復興基本法案には協力するが『死に体政権』にそれ以上の協力はできない」と力説。公明党の井上義久幹事長も会見で「引き続き早期退陣を求める姿勢に変わりはない」と述べた。【影山哲也、朝日弘行、江口一】

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