セシウム汚染疑い土 糸満で861袋販売

2011年7月31日 09時52分このエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 高濃度の放射性セシウムに汚染された疑いのある家庭菜園用の腐葉土が県内で流通していた問題で、ホームセンター「カインズホームFCサンプラザ糸満店」で861袋販売されていたことが30日、分かった。県農水部は汚染疑いの腐葉土を県病害虫防除技術センターで放射能検査する予定。同部は基準値がなく明言できないとした上で、「土に混ぜて使うため濃度が薄まる。すぐ人体に影響を与えるとはいえないだろう」としている。県とカインズホームは汚染疑いの腐葉土を使用しないよう呼び掛けている。

 商品名は岩手県産の「バーク入り腐葉土14L」と栃木県産の「腐葉土3L」の2種類。糸満店ではプレオープンの4月19日から7月24日までにそれぞれ829袋、32袋が販売された。販売前に回収した71袋はすでに店頭から撤去され本社に送られたという。

 「バーク入り腐葉土14L」は鳥取県の検査で、1キロ当たり1万4800ベクレルの放射性セシウムが検出されている。京都府の検査では、「腐葉土3L」で大気中の7倍の放射線量が確認された。

 カインズ(群馬県)は沖縄を含む22都府県の166店舗で同じ商品を13万袋販売したと公表。農水省の販売自粛要請を受け、27日までに全国の店頭から腐葉土を撤去した。

 県農水部は週明けにも糸満店を訪れ、農家の購入がなかったか仕入れ伝票などを調査する。県内のホームセンターでは同じ商品の販売はなかったものの、国が生産・流通の自粛を要請している栃木など17都県産の腐葉土を店頭から撤去する動きも出てている。

 汚染疑いのある腐葉土はカインズホームで返品を受け付ける。すでに腐葉土を使用した場合も返金に応じる。問い合わせは同社、フリーダイヤル(0120)877111。

[ことば]

 放射性セシウム 原子力発電に使われる燃料のウランの核分裂により生成される。半減期が30年と長く、人の体に取り込まれると放射線を出し続け、内部被ばくを起こす。

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