全国で唯一、発電しながら機器を点検する「調整運転」が続いている北海道電力の泊原子力発電所3号機について、住民が、安全対策が不十分だなどとして、国に対して営業運転を認めないよう求める訴えを札幌地方裁判所に起こしました。
泊原発3号機は、定期検査を実質的に終え、現在は発電しながら機器を点検する「調整運転」を続けている全国で唯一の原発で、北海道電力は営業運転の再開に向けた手続きを進めることにしています。これに対して札幌市などの住民38人が、1日、国に対し、営業運転の再開を認めないよう求める訴えを札幌地方裁判所に起こしました。訴えによりますと、泊原発では津波によって電源が失われることなどへの安全対策が不十分で、国による「ストレステスト」と呼ばれる安全評価についても具体的な内容が明らかでなく、手続きが十分ではないなどとしています。原告団の泉かおりさんは「事故が起きたら北海道の人たちの生活が脅かされるので、安全性が確保されないまま営業運転を再開させるべきではない」と話していました。一方、原子力安全・保安院と北海道電力は、いずれも内容を承知していないなどとして「コメントできない」としています。