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RSローラチェーンの場合
チェーンがスプロケット上で屈曲する際、ピンとブシュが摺動し、少しずつピン外周とブシュ内周の摩耗が進行します。
これがチェーンの摩耗伸びとなります。
チェーンの摩耗伸びが進行すると、チェーンがスプロケット歯の山に登っていくようになり、ついには歯飛びを起こし、噛合い不能になります。
【歯飛びを起こす限界チェーン伸び率】
歯飛びを起こす限界チェーン伸び率は、スプロケット歯数に応じて異なります。
歯数が小さくなると、計算上、限界伸び率は大きくなりますが、実用上振動が大きくなったり強度低下するなど弊害が多いため、歯数60枚以下では限界を1.5%としています。 |
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大スプロケット歯数 |
チェーンの使用限界(伸び率) |
60枚以下 |
1.5% |
61〜80 |
1.2% |
81〜100 |
1.0% |
101〜110 |
0.8% |
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ラムダチェーンの場合
ラムダチェーン及び長寿命ラムダチェーンは、0.5%位が寿命の目安となります。
RSローラチェーンとは異なり、無給油で使用されるため、含油焼結ブシュの油切れが発生した時点が取替え時期となります。この油切れが発生する時期が
伸び量でいうと0.5%位となります。
油切れになると、プレート間に赤い摩耗粉が付き、屈曲不良も発生しだしますので、これを目安に取替えてください。
【摩耗伸び率の算出方法】
チェーン伸び率=(判定寸法 - 基準長さ)/基準長さ × 100(%)
基準長さ=チェーンピッチ × リンク数
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チェーンの摩耗伸び限界が一目で確認できる「つばきチェーン摩耗測定スケール」もございます。 |
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