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福島第1原発:計測限界の10シーベルト 作業に影響懸念

 東京電力福島第1原発1、2号機につながる配管表面から計測限界に相当する毎時10シーベルト(1万ミリシーベルト)以上の高い放射線量が計測されたことで、敷地内にまだ高線量の地点が残っている可能性が浮かび上がった。

 これほどの高線量について、東電は「ベントの影響が考えられる」と説明する。ベントは2、3号機でも実施されており、この配管以外でも、作業員の安全確保のために速やかな計測が求められる。

 一方、10シーベルトはあくまで1時間当たりの測定値だが、これまで敷地内で計測された放射線量に比べても倍以上になる。茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」の事故で死亡した作業員2人の被ばく量は6~20シーベルトだった。

 東電は現場の立ち入りを制限し、「作業への影響はない」としているが、他にも高線量の地点が相次げば作業への影響が懸念される。

 NPO法人「原子力資料情報室」の伴英幸共同代表は「事故後4カ月以上もたって確認されたのでは遅すぎる。ベントが原因ならば、原子炉格納容器内なども極めて高濃度の放射性物質に汚染されている可能性が高い。今後、必要となった場合の格納容器の補修などがかなり難しくなるのでは」と指摘する。【奥山智己、河内敏康】

毎日新聞 2011年8月1日 23時41分(最終更新 8月2日 0時36分)

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