突然だが皆さんには「失敗した」話と言うのはおありだろうか?
どんなに些細な「失敗」でも結果としてそれは成長の糧となり、時には力となってくれる。それが人と言うものだ。
だがそれも、大き過ぎる「結果」がついて来る場合でなければ・・・の話だと私、竜宮真也は思っている。そして、何でこんな事を問うかと言われれば・・・。
「今まさにその「大き過ぎる結果」に自身が遭遇しているからなんだが・・・。」
今の私の状況を一言で表すなら、迷子。学校に行くのにいつもの近道が工事中で使えずに遠回りに移動したところ、マンホールに落ちた。
そう、過程はそんなものだったのだ。しかしながら、今私が居る場所に在るものは。
物凄いスピードで走ってる列車の中、それも・・・何かロボットみたいなのが接近して来ている。
「……トンネルを過ぎると、そこは不思議な国でしたか?」
うん、この表現が一番シックリ来るだろう。こう思ってる間にも私に近付いて来るロボット達。
当然だが私は学生で生身、持ってるものは学生鞄と部活動の木刀くらいなもの。対して敵はここから見るだけでも十数機、しかも所々で弾けるような音がするのだからスタンガンのようなものを使うのだろう。
それらの状況・客観的解析から導き出される結論・・・。
「詰み、だな。」
どうしようもない状況、と言うがまさにその通り。逃げるにしても列車の中ではいずれバレる。戦うのは論外、私の剣は所詮スポーツであって人を殺せるようには出来てない。いや、人間ならやりようによって殺すなり倒すなり選択肢があるだろうが相手はロボットで複数。痛みのない奴を相手にしたところではっきり言って徒労であろう。
・・・うむ、人間は極限状態になると落ち着くと言うがまさにその通りだな。と思っていたら・・・。
何かオレンジ色の光の弾?みたいなものと波○拳みたいなものがまさに眼前を突っ切る形でロボット達を飲み込んだ。
・・・信じても居ない神様よ、今貴方が居るなら是非ともお聞きしたい。
・・・私は一体何処に来てしまったのだ?と。