韓国政府、自民党議員3人の入国拒否 議員らは強く反発、韓国側にくわしい説明求める
竹島に近い韓国の鬱陵(ウルルン)島視察を目指していた自民党の新藤義孝衆議院議員ら3人が、1日、ソウルの空港に到着したが、韓国政府は、3人の入国を拒否した。
新藤議員は、金浦(キンポ)空港で「もし、わたしたちを入国拒否するならば、入国禁止措置にするならば、それは大きな外交的な問題になると思います」と述べた。
新藤議員は、自民党の稲田朋美、佐藤正久両議員とともに、1日午前、ソウルの金浦空港に到着したが、空港で韓国政府から、韓国の利益や公共の安全を害するおそれのある外国人の入国を禁止できるなどとした出入国管理法の規定に基づいて、入国を拒否された。
新藤議員らは強く反発し、午後5時現在、空港で韓国側に対し、くわしい説明を求めている。
枝野官房長官は、会見で「在韓国大使館から韓国外交通商部に対して、韓国がわが国の国会議員に対してこのような措置をとったことは極めて遺憾である旨申し入れ、かつ入国を認めるよう再考を求めている」と述べた。
一方、金浦空港では午前中から、市民団体らが、今回の自民党議員の訪韓に対する激しい抗議活動を行った。
市民団体などは、「塩をまけ! 唐辛子粉を食え!」などと声を上げた。
居合わせた日本人観光客からは、戸惑いの声も聞かれた。
日本人観光客は「ちょっとびっくりしたし、怖いっていう思いもありましたね」と話した。
こうした中、韓国の李在五(イ・ジェオ)特任相は1日、竹島に上陸した。
今回の自民党議員の行動に抗議するため、実効支配を続けている韓国の警備隊を激励した。
鬱陵島は、竹島のおよそ92km北西に位置している。
日本政府が一貫して、「歴史的事実に照らしても、国際法上も、明らかにわが国固有の領土」としている竹島。
外務省によると、竹島は、アシカやアワビ漁の中継地などとして利用され、「遅くとも江戸時代初期には、竹島の領有権を確立していた」という。
そして1905年、竹島を島根県に編入する閣議決定が行われた。
しかし1952年、当時の韓国の李承晩(イ・スンマン)大統領が、一方的に「李承晩ライン」を設定して、竹島を取り込み、漁業管轄権を主張した。
さらに、韓国側は1954年、沿岸警備隊を竹島に派遣したと発表し、現在も沿岸警備隊員が竹島に常駐していて実効支配を既成事実化しようとしている。
(08/01 17:11)