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list 2011年 7月22日 放射性セシウムの影響について
  震災当時の現地事情
原発事故による「人最優先」で避難したこと、震災により東北地区の飼料工場や倉庫が被災し飼料の供給ができなかったこと、飼料運搬の車が立ち入り出来なかったことなどが重なり、飼料不足でやむを得ず稲わらを与えていた事情もあります。
震災直後、道路が寸断され救援物資も届かない状況で、水や燃料、飼料を当社の社員が供給しておりました。

経緯
7月7日、南相馬市の当社の契約農家から東京芝浦市場に出荷した肉用牛から放射性セシウムが検出され、その原因が汚染された稲わらを餌として牛に与えていたことであると究明されました。
その後の調査で福島県各地区の多くの畜産農家で、規制値を超えるセシウムが検出された稲わらを使っていることが分かり、政府は7月19日、原子力災害対策措置法に基づき、福島県全域の肉用牛の出荷停止を指示しました。
またマスコミが報道した通り宮城県産、岩手県産の稲わらからも暫定規制値を超える放射性セシウムが検出され、山形、新潟、岩手の一部の牛が汚染し、汚染された可能性のある牛が市場に流通し全国各地で消費された可能性が明らかになりました。
これにより当社は、福島県全体の丁度1割にあたる約3,000頭の福島県産の牛の出荷が出来なくなったばかりか、牛肉の消費は極端に冷え込み、東京食肉市場ではこれまで例が無いほどの市場価格の下落幅となりました。

当局の指導
原発の事故後、農林水産省は畜産農家に屋内保管の飼料を使うよう指導してきましたが、稲わらの出荷については制限しておらず、購入した餌が汚染されていた事態は想定外であった様です。
4月20日、大手畜産業者に対し農水省から飼料や水に関し指示があり、22日には地元契約農家を集め指導いたしましたが、問題のあった農家が「わら」を給餌していたのはそれ以前のことと判明しました。
鹿野農林大臣の7月12日の記者会見では「農家への飼料や水の放射性物質の検査の徹底が不十分であり反省すべき」と発言され、農家への国の指導不足との認識が示されました。

補償問題
これら福島第一原子力発電所の事故による損失は、いずれ保障の対象となりますが、現在のところ補償の実行は何時になるか分かりません。
ただ7月20日の衆院東日本大震災復興特別委員会で高木文部科学相は「政府による出荷制限指示の対象となった肉牛の損害は賠償の対象」であり「買い控えで価格下落があった時の風評被害は賠償の対象と認められている」との認識が示されました。

国への要望
セシウム汚染牛の問題はBSE発生時、国が速やかに対策を講じた様に、全頭検査の体制整備を執り、出荷停止となった牛を買い上げ、国が出荷しても問題が無いと言う基準を明確にし、消費者に安全性をアピールすべきものと思います。

list 2011年 5月23日 牛の放牧について
   東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故の影響で、東北・関東8県の牧草から農林水産省が定めた暫定基準値を超える放射性物質が検出されております。

 当社はこの地区に直営牧場として那須牧場(栃木県)はじめ遠野牧場(岩手県)藤沢牧場(岩手県)千厩牧場(岩手県)のほか契約牧場51ヶ所に約27,000頭の牛を飼育しております。
 震災後、原発の放射能漏れが続く中、4月に栃木県農政部より放牧の自粛についてアナウンスがあり、当社那須牧場でも放牧を中止致しました。
 その後も栃木県による県内各地の牧草のモニタリングが重ねられ、5月13日付けで、『育成牛・繁殖牛は牧草等の給与及び放牧が可能となりました。なお、乳用牛(経産牛等)・肉用牛(肥育牛)では引き続き牧草等の給与及び放牧は行わないで下さい。』との通達がありました。これを受け、5月14日より那須牧場では繁殖牛の放牧を再開いたしております。

 なお、当社では那須牧場及び北海道地区において繁殖牛に限り放牧をいたしており、その他の地域及び繁殖牛以外の牛につきましては放牧いたしておりません。
 また、牧草につきましても、上記2地区の繁殖牛を除き、従来より輸入牧草を給与いたしております。
list 2010年 11月25日 一層の安全・衛生の向上を目指してU
   今般、「口蹄疫対策検証委員会報告書」及び「口蹄疫の疫学調査に係る中間的とりまとめ」が発表されました。宮崎県のみならず全国展開している当社と致しましては、この両報告書で明らかになった問題点を踏まえ、次の通り各般の対策を講じることと致しました。
 既に平成22年8月25日「疫学調査に係わる中間的整理」を踏まえ、社内において種々検討してきたところでありますが、今回の両報告の中で家畜伝染病に関する知識と意識の欠如、社内の意思決定・連絡上の問題、獣医師の質・量の更なる確保、地域との連携の希薄の問題等を厳粛に受け止め、再発防止に向けて、改善策を講じてまいります。
 その内容につきましては、まず、平常時における防疫状況について安全衛生上の問題点は無いか等の点検、特に異常牛が発見された場合の速やかな報告、獣医師による治療処置の指示、併せて家畜保健衛生所をはじめとする県市町村等の関係行政機関との密接な連携に努めてまいります。これらの行動を的確に行えるよう全社的な組織改正を行うと共に、安全衛生規程を整備いたしました。
 また、社内に社外の有識者や専門家を含むメンバーによる家畜安全衛生委員会を設置するとともに、日常的に情報の収集、対応策の検討、再発防止の為の企画立案を行い、これを社内に徹底するため、家畜保健衛生所等から講師を招聘し、社員教育の充実を図ってまいります。
 さらに地域との共生につきましては、県市町村等の関係行政機関及び地域社会との日頃からのコミュニケーション・連携の必要性を痛感したところであり、今後、社員に対する教育・指導を徹底し、日常業務の中で、地域社会に多様な観点から貢献できるよう、全社を挙げて取り組んでまいります。

1.組織の改正

(1) 畜産部の生産管理課が部機能の全てを統括していましたが、企画課、管理課、生産課に分割しました。
今まで全国に地域牧場を統括する8支店としていましたが、この度これらを北海道支店、東日本支店、九州支店の3支店にまとめ、それぞれの支店長がその地区の統括者として責任体制を明確に致しました。
(2) 直営40牧場につきまして、これまでは地区に数箇所の牧場がある場合は、一人の牧場長がその地区全体を統括していましたが、責任体制を明確にするため40牧場全てに牧場長を置くこととしました。

2.家畜の安全・衛生に関する規程の整備及び委員会の設置

(1) 家畜安全衛生管理規程の整備
平常時及び緊急時における家畜への危機管理を徹底してまいります。
法令で定めるもののほか、家畜の安全・衛生管理に関する各職位の責任体制を明確にしました。
(2) 家畜安全衛生委員会規程の設置及び危機対策本部について
家畜安全衛生本委員会、地区委員会及び小委員会を設置し、家畜への危機に関する情報の収集、対応策の検討、再発防止の為の企画立案を明確にしました。また、緊急時には危機対策本部を設置し迅速に危機に対処します。
(3) 家畜安全衛生アドバイザー委員会の設置
大学研究機関、獣医師、飼料会社、消費者団体、スーパーマーケット代表、法律関係者等からなるアドバイザー委員会を設置し、家畜の安全衛生に関する専門家の立場での助言を求めます。

3.牧場現場の平常時及び異常牛が発見された場合の情報の伝達

(1) 平常時
自社牧場は平成22年10月21日より、契約委託牧場については11月1日より、牧場巡回チェック表に基づき牧場内の環境、防疫状況に安全衛生上問題が無いかの確認を、場長自らが確認し、報告する事を規定しました。
(2) 異常牛が発見された場合
発見した社員は直ちに場長へ報告し、場長は直ちに獣医師へ診察を依頼するとともに統括場長へ報告し、統括場長は支店長へ報告を行います。獣医師は診察の結果により家畜保健衛生所へ届出を行います。

4.獣医師との連携

的確な衛生管理を行うため、全国的に再点検を行い、地域の開業獣医師との契約を更に拡大するとともに、既契約獣医師との契約内容の見直しを行い、巡回回数の頻度を上げるよう、獣医師の活動を充実してまいります。

5.社員教育

平成22年10月から11月末にかけて、直営牧場において「牛伝染性疾病教育」を延べ20回計画し、11月25日現在、既に19回実施しました。
契約牧場についても、同期間に延べ23回計画し、11月25日現在、19回の教育を終了しました。

6.地域社会との共生

地域社会の一員として関係行政機関とのコミュ二ケーション・連携を密にし、地元雇用、地元行事への参加を積極的に進め、地域社会に多様な観点から貢献できるよう、地域社会との共生に努めてまいります。
list 2010年 11月12日 一層の安全・衛生の向上を目指してT
 

 今般の口蹄疫について、東国原英夫宮崎県知事は8月27日に終息を宣言しました。これを受けて宮崎県では9月からの観察牛導入により安全性を確認し、すでに11月から復興に向けて牧場再開の動きが見られます。
 当社は、これまで最高の良質な牛肉を生産するために牧場の安全・衛生には十分考慮してまいりましたが、口蹄疫は感染力が極めて強いうえに原因特定が難しい疾病のために多くの牧場において、殺処分せざるを得ませんでした。当社にとりましても、手塩にかけて育てた牛が犠牲になりましたことは痛恨の極みでございます。
 この経験を真摯に受けとめ、今後一層の危機管理体制を強化してまいります。

このため安全・衛生に関する社員教育の徹底をはじめ、社内組織の整備、業務に対する責任の明確化を図るとともに、法令遵守はもとより、当社独自の厳格な規準による飼育を行ってまいります。
 これにもとづき、早速10月より全国の直営牧場及び契約牧場全ての牧場において、獣医師による従業員に対する「牛伝染性疾病予防」の教育に着手いたしました。10月12日から11月10日にかけて直営牧場40牧場全てにおいて研修会を実施済みであり、契約333牧場についても11月中にこれを実施終了する予定です。
 また、各県の農業共済組合との提携を一層深め、家畜共済保険につきましては一部未加入地域の解消をはかり全頭加入を目指して努力してまいります。
 これにより、各農業共済組合関連の獣医師との提携を一層円滑にするとともに、併せて当社と直接契約する獣医師の増加を図りつつあり、伝染性疾病はもとより、一般的な疾病についても直ちに獣医師による治療を行い、かつ速やかに各家畜衛生保健所との連携をとりうる体制を整えました。
 
これからは、一層の安全・衛生の向上に努め、地域社会との共存共栄を重視した企業を目指してまいります。

list 2010年 07月01日 日本格付協会指定工場認定
  平成22年7月1日、弊社食品部の精肉工場が、社団法人日本食肉格付協会より指定工場としての認定を受けました。

認定工場承認の条件として「施設・設備・人員が日本格付協会の設定するレベルをクリアし、なおかつ安全・安心な製品を作り出せる工場であること」また、「部分肉委嘱格付員の資格保持者2名以上が在籍」となっております。

認定工場として承認を受けたことによって、『工場内の衛生状態が良好に保たれなければならないため、「安愚楽黒毛和牛肉」が安全・安心な商品であることをアピールできる』『枝肉を見る目が向上し、より確かな品質の肉作りができる』『食肉処理工場として、より安全・安心を追求する企業として認められ、食肉販売部門でも活用できる』というメリットを得られました。

今後も安全・安心を追求する企業として、認定工場のメリットを活かし、高品質の黒毛和牛の生産と安全・安心の「安愚楽黒毛和牛肉」を消費者の皆様にお届けできるよう尚一層の努力をしていきます。

社団法人日本格付協会とは

食肉業界の発展と、業界レベルの向上を目的とする機関。食肉の取引において、同じ品質のものは全国どこでも同水準で取引されるよう全国統一の規格を定め、より安全で安心できる食肉を規格認定する機関。

list 2010年 06月17日 口蹄疫における防疫対策と現場の状況について
  4月20日、宮崎県で10年ぶりに口蹄疫の発生が確認されました。 同県内には自社牧場及び預託農家があるため、発生直後より自社内はもちろんの事、預託農家及び牧場出入り業者に、防疫・消毒マニュアルを配布し、車両・人・機材・工具に至るまで防疫を徹底して参りました。
現在、少しずつ終息への兆しも見えつつございますが、今後も防疫対策を徹底し、拡大防止に努めて参ります。あわせて、生産現場の声をお伝えさせていただきます。

宮崎支店 生産現場より

4月20日、発症の知らせを受けて、私たち生産現場にも緊張が走りました。
口蹄疫は、われわれ偶蹄類の家畜を養う者が最も恐れる伝染病だからです。
その日からこれまでに無いレベルの防疫体制となりました。
「牛を守る」われわれ現場は、その一念をもってウイルスと戦う覚悟を決めました。
口蹄疫は伝染力の強い恐ろしいウイルスです。
物理的な損失は勿論ですが、風評によって精神的にも追い込まれていくという思いもかけなかった事態に困惑し、改めてその恐ろしさと防疫の大切さを痛感しております。
そのような中にも、関係する多くの方々には励ましをいただき、その温かさに現場を預かるものとして心が救われる思いです。
未だ、全面終息には至ってないものの、少しずつ兆しが見えつつあり、殺処分対象になっている牛たちは、今日も元気に餌を食べています。
「守ってあげることができなかった」・・・そんな思いに苛まれます。
感染防止の理由から自宅待機している職員からは、「処分のその日は、出勤させてほしい。最後まで見届けてやりたい。」といった要望もあります。
我々現場の思いは一つです。「守りきれなかった牛たちの命を無駄にしないこと。」
今回の件で学び得たことを今後に活かし、立ち上がることが供養であると信じています。

〜口蹄疫治療薬開発のニュースについて〜

6月12日付けの日本経済新聞によりますと、富士フィルムホールディングス子会社の富山化学工業が、口蹄疫ウイルスの増殖を防ぐ効果を持つ化合物の開発を終え、2年後を目途に承認申請を行うという記事が掲載されておりました。
今後の国内の畜産業界において朗報と受け止めております。
list 2010年 06月08日 口蹄疫による当社の対応について
  4月20日、宮崎県において口蹄疫の擬似患畜が確認され、関係者による畜舎や道路の消毒など必死の封じ込め作業や措置が講じられましたが、感染は2市5町に広がりました。 この地区における当社の各牧場におきましても、昼夜をあげて社員が防疫に努めてまいりました。
さらに、口蹄疫の更なる拡大を防止するため、5月19日口蹄疫対策本部より口蹄疫防疫措置により、当社に於きましても移動制限区域内の牛が殺処分対象となり、5月24日、25日の両日でワクチン接種が完了いたしました。

当社としましては、手塩に掛けて育ててきた黒毛和牛を処分せざるを得ない事は、断腸の思いでございますが、口蹄疫防止のため政府の指導に基づき、社員一丸となって防疫対策に取り組み、この難局を乗り越えて地域に根ざした畜産会社として、これからも力強く邁進してまいります。

6月4日には宮崎県西部のえびの市を中心に区域内の安全性が確認され、家畜の移動を禁止する移動・搬出制限区域が解除されました。 川南町を始め、その他地域におきましても、防疫対策の効果があらわれ、1日も早い終息を願っております。

風評被害について

「旬刊宮崎」なるミニコミ紙に、事実無根の口蹄疫に関する安愚楽牧場に対する中傷誹謗記事が掲載され、その記事がインターネットを通じ流れ、その影響で様々な投稿が見受けられます。
幾ら言論の自由とは言え、意図して作られた事実無根の情報を流すことは道義上許されるものではありません。
当社は「旬刊宮崎」に対し謝罪広告掲載を求め、既に訴訟を起こしております。
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