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[事件]ニュース トピック:エネルギー
【日本よ】石原慎太郎 原発についての冷静な討論を
2011.8.1 03:09
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第三に、原発に関わるエネルギー問題を考える時、現在世界全体を覆ってきている異常気象が表象する温暖化現象を忘れる訳にはいかない。この問題は人類全体の存在を左右しかねないものであって、ことが大きすぎるために念頭から離れがちだが事態は歴然として進行している。NASAのハンセン教授が指摘しているようにこのままでいけば北極海の氷は後十五年ほどで溶けきってしまうだろう。そうした現象がさらに進んで人間全体の存在にどのような影響をもたらすかは決して想像外のことではあるまいに。
そのためにも、それぞれの立場の者たちがCO2削減のためにさまざまな手立てを講じているのだが、多くの電力供給手段の中で原発は、管理さえ行きとどけば温暖化の抑制のためにはコストバランスからも格好の手立てであった筈(はず)だ。
一方発展途上国は効率の良い発電施設として原発に頼ろうとしている。原子力に関してフランスに並んだ先進国の日本がそれに応えて責任を果たすこともまた、国家の存在感を強め新しい連帯をはぐくむ術に違いないが、国民のセンチメントにおもねって保身を計る首相は自ら売り込んだ原発プロジェクトを自ら否定してかかる体たらくだ。
国家の存亡をきめるものは決して経済産業だけではないが、しかしそれを敢えて阻害してでも何を望むのかという討論をこそ政府が主導すべきなのに、自らの地位の保身のために繰り返される軽率短絡的な首相の言動は、持たれるべき、我々の命運を左右しかねぬ真摯(しんし)で冷静な討論を阻害してかかるものでしかない。我々はこんな人物に国家の運命をゆだねる訳にはとてもいかない。
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