原水爆禁止大会:初の福島開催 「脱原発」訴え

2011年7月31日 21時48分 更新:7月31日 21時51分

原水爆禁止世界大会に合わせて行われた反原発の県民集会=福島市で2011年7月31日午後1時30分、木葉健二撮影
原水爆禁止世界大会に合わせて行われた反原発の県民集会=福島市で2011年7月31日午後1時30分、木葉健二撮影

 原水爆禁止日本国民会議(原水禁)系の原水爆禁止世界大会が31日、福島市で開幕した。世界大会は毎年、核兵器廃絶を主なテーマに広島や長崎などで開かれてきたが、東京電力福島第1原発事故を受けて、「脱原発」を訴えるために初めて福島で開いた。8月11日までに広島、長崎、沖縄でも大会を開く。

 福島大会には国内外から約850人が参加。藤本泰成・大会事務局長が「福島原発の事故は、核と人類は共存できないことを現実として示した。核の軍事利用も商業利用も、核被害に苦しむことは同じだ。私たちには原子力によらないエネルギー政策に移行させる責任がある」などとする大会メッセージを提案し、満場一致で承認された。

 福島県で40年以上反原発運動に取り組んできた県双葉地方原発反対同盟の石丸小四郎代表は、県民の避難が続く福島の現状を報告したうえで「狭い日本列島では絶対に原発事故を起こしてはならないと思って運動してきたが、実際に事故が起こり、逃げ惑う放浪の民になってしまった。日本から全ての原発をなくすためメッセージを発し続けたい」と決意を示した。

 長崎の被爆者で大会実行委員長の川野浩一・原水禁議長は「広島や長崎の被爆者たちは66年たった今も苦しんでおり、福島でも政府は健康追跡調査などに万全の措置を講じないといけない。われわれは反原発の取り組みが弱かったことを反省しなければならず『ノーモア・フクシマ』と叫んでいきたい」と訴えた。

 大会に先立ち、参加者ら約1700人が福島市内をデモ行進し「放射能のない福島を返せ」などと声を上げた。【袴田貴行】

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