電気事業法に基づく「電力使用制限令」が東京、東北両電力管内に発動されてから、7月31日で丸1カ月。家庭を含めた節電の効果と、最高気温が比較的低めに推移していることで、電力需給は余裕のある日が続く。ただ、政府の節電要請は、関西電力管内など西日本にも広がり、企業は対応に四苦八苦。節電の夏は本番を迎えている。
制限令の発動は1974年以来、37年ぶり。大規模な工場やオフィスビルなど大口需要家に平日、最大電力を昨夏より15%削減することを義務づけた。家庭や小口需要家にも、努力目標として15%削減を求めた。
東京電力管内の今夏の最大電力は、7月15日の4627万キロワットが最高。昨夏のピークと比べると2割以上低い。供給力に対する電力の使用率は、6月29日の93%が今夏の最高で、7月は9割を超えた日がない。東北電力管内でも、節電や震災の影響で昨夏よりも需要が少なく、使用率の最高は7月9日の94.6%にとどまる。