長崎大丸、惜しまれ閉店

　大丸や松坂屋を展開するＪ・フロントリテイリングのグループ傘下「博多大丸長崎店」（長崎市）が３１日の営業終了をもって閉店した。同日は閉店時間の午後７時を過ぎても大勢の客でにぎわい、地元で親しまれた百貨店との別れを惜しんだ。

　長崎県諫早市の女性（８３）は「最後の日だから」と、長崎店で買ったという服に身を包んで娘や孫と来店。「小さいころは母親と実家から３時間半かけて来た。都会的ですてきで、服を買ったり家族でご飯を食べたりした思い出がある」と懐かしそうに話した。

　林田尚之店長は閉店に際し「この街が好きな従業員ばかり。閉店してもご縁が切れることはない。長い間ありがとうございました」とあいさつし、深々と礼をした。同店によると、３１日だけで約２万７０００人が来店。７月の売り上げは前年同月比約８９％増の９億５千万円に達したという。

　博多大丸長崎店は、１９３４年開設の地場百貨店「岡政」が前身。８８年に長崎大丸として旧大丸グループ傘下に入り、２００３年、博多大丸に吸収されて支店となった。

　近年は大規模な駐車場を持つ商業施設が市内に進出したため業績が悪化。店舗の老朽化も加わって閉店が決まった。

　跡地には、博多大丸が新たな商業施設の出店を検討している。

（2011年7月31日21時31分  スポーツ報知）

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