「阪神5‐9横浜」(30日、甲子園)
虎が逆転負けを喫した。1点を追う四回、ブラゼルの8号2ランで逆転。藤井彰の適時二塁打で2点リードとして、勝負の流れをつかんだかに思えたが…。四回から登板していた小嶋が七回、スレッジに逆転満塁弾を浴びた。好投していた小嶋だが、1軍昇格即4イニング目のマウンドは酷だった。真弓監督も続投失敗を認めた。
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その瞬間の、苦虫をかみつぶしたような指揮官の表情がすべてを物語った。4‐2の七回無死満塁。小嶋が投じた低めの143キロを、スレッジに完璧にとらえられた。打球はほぼ無風の上空を切り裂き右翼席へ。グランドスラム被弾…。真弓監督は「ちょっと引っ張りすぎたな。失敗した」と、自らのさい配ミスを認めた。
もう1イニング‐。その願いはかなうどころか、最悪の結果を招いた。先発の鄭凱文が立ち上がりから安打を積み重ねられ、三回に2失点。ここで見切りをつけたまでは決断が速かった。だが、次の決断が遅すぎた。
2番手の小嶋は四回以降、毎回三振を奪う力投で六回まで1安打無失点。その間に味方打線も4‐2と逆転した。その調子のよさが、首脳陣の判断ミスを招くことになろうとは…。
小嶋は七回、先頭の代打・一輝、下園に連打された。しかし「(左打者が続く)スレッジまで、村田から(右の)渡辺と思っていた」(久保投手コーチ)と、ベンチは不動。石川に四球を与えても動かない。揚げ句の果てに、ここまで1本塁打を含む3安打のスレッジに満塁被弾。後手に回ったとの批判は免れない。
先発の鄭凱文が乱調で、3回であきらめざるを得ない展開。くしくもこの日、ルーキーながら開幕からブルペンをもり立ててきた榎田が、全身疲労のため登録を抹消された。EKKの一角を欠き、小林宏‐藤川までどうつなぐか。いきなり中継ぎ陣が試練に立たされたのだ。
そんな中で真弓監督が「いけるところまでいってほしい」と送り出した小嶋が好投。期待通りに飛ばした左腕だったからこそ、3番手につなぐタイミングが重要だった。その点を問われた指揮官は「だから失敗したって言ってる」と、繰り返すしかなかった。
前夜は4点リードを追いつかれてのドロー。この日は2点差をひっくり返したのに、再逆転され最後は惨敗。最下位の横浜相手に、とても2位チームには見えないまずいゲーム運びが続いている。打線がリードを奪い、盤石の継投で逃げ切るのが真弓阪神の勝ちパターン。同じ過ちはもう二度と繰り返すことはできない。
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