6月末に車にはねられた富山市の女性が市内の3病院に受け入れを断られ、約3時間後に搬送先の高岡市内の病院で死亡した問題を受け、県は29日「富山医療圏の救急医療にかかる連絡会議」の2回目の会合を開いた。3病院は県の患者の受け入れ基準を医師、看護師に周知徹底するとした。また、3次救急医療機関の県立中央病院は患者受け入れのための相談体制強化などの改善措置を明らかにした。
この日の会議では、受け入れ拒否した富山市民、県立中央、富山大付属の3病院が対応可能な医師の不足や夜間のため不在だったことなど拒否の理由を説明。3病院は受け入れ基準の周知徹底を確認した。
また、受け入れ拒否を無くすため、▽3次救急医療機関の県立中央病院は原則、重症患者を受け入れ、休日や夜間に病院に駆け付ける「オンコール医」体制を強化する▽3次救急医療機関が受け入れ困難ならば富山市民病院が一時的に受け入れる▽富山大付属病院は重症患者を受け入れる際に迅速に専門医を招集する--などの対策を取りまとめた。
一方、県は「受け入れ拒否解消のため必要な救急医や看護師の確保に長期的に取り組む」とした。県立中央病院の飯田博行院長は「長期的といっても悠長な時間はない。早急に取り組むべきだ」と批判した。【岩嶋悟】
毎日新聞 2011年7月30日 地方版