玄海原子力発電所の説明会を巡るメール問題で、佐賀県の古川知事が説明会の前、九州電力の幹部に原発の運転再開を容認する意見を出すことも必要だと伝えていたことがわかりました。九州電力第三者委員会の郷原信郎委員長は、30日夜、記者会見し、古川知事の発言が、今回のメール問題につながった可能性は十分にあるとして、今後詳しく調査する考えを示しました。
佐賀県の古川知事は、30日、記者会見を行い、玄海原発の運転再開を巡る説明会の前の先月21日、九州電力の当時の段上守副社長らと面会した際「経済界には原発の運転再開を容認する意見もあり、そういう声を出していくことも必要だ」と伝えていたことを明らかにしました。そのうえで古川知事は「いわゆるやらせメールを依頼したということは全くないが発言は軽率だった」と述べました。これについてメール問題を調査している第三者委員会の郷原委員長は、30日夜、福岡市内で記者会見し、「古川知事の発言がメール問題の引き金になった可能性は十分ある」と述べました。また郷原委員長は、当時の副社長とともに古川知事と面会した当時の佐賀支店長が、会談の内容についてメモを残し、社員にメールで送信していたことを明らかにしました。それによりますと、メモには「九州電力にお願いしたい」、「賛成の意見も出してもらいたい」などと知事がメールを要請したような記載があるということですが、郷原委員長は「当時の知事の発言が伝えられているかどうかは疑問だ」として事実関係を調査する考えを示しました。また九州電力は、30日に明らかになった古川知事の発言やメモの内容などを把握していましたが、「事実がはっきりしない」などとして、国に報告していませんでした。第三者委員会は、今回の古川知事の発言を踏まえ、メール問題について、ことし9月下旬までに調査結果をまとめることにしています。