内閣不信任案:小沢元代表に近い議員ら反対に転じ否決

2011年6月2日 21時45分 更新:6月3日 1時34分

内閣不信任決議案が否決され、一礼する菅直人首相=国会内で2011年6月2日午後3時25分、木葉健二撮影
内閣不信任決議案が否決され、一礼する菅直人首相=国会内で2011年6月2日午後3時25分、木葉健二撮影
内閣不信任決議案の否決後、記者の質問に答える鳩山由紀夫前首相=国会内で2011年6月2日午後3時31分、久保玲撮影
内閣不信任決議案の否決後、記者の質問に答える鳩山由紀夫前首相=国会内で2011年6月2日午後3時31分、久保玲撮影

 菅直人首相は2日の民主党代議士会で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の対応に一定のめどをつけた段階で退陣する意向を表明した。これを受け、自民党など野党3党が提出した内閣不信任決議案に当初、賛成を表明していた鳩山由紀夫前首相や、小沢一郎元代表に近い議員らのほとんどが反対に転じ、不信任案は同日午後、反対多数で否決された。元代表自身は採決を欠席した。

 不信任案には、民主党と国民新党・新党日本などが反対。自民、公明、たちあがれ日本、みんなの党などが賛成した。共産党は棄権し、社民党は欠席。民主党からは2人が賛成し、元代表を含む15人が欠席・棄権した。同党執行部は、同日夜の役員会などで賛成者を除籍(除名)とし、小沢元代表の処分は見送ることを決めた。元代表以外の欠席・棄権者は岡田克也幹事長が事情を聴いた上で判断する。

 首相は代議士会で「震災への取り組みに一定のめどがついた段階で、若い世代にいろいろな責任を引き継いでほしい」と発言。同日午前の首相との会談後、代議士会に臨んだ鳩山氏は「震災復興基本法案を成立させ、11年度2次補正予算の早期編成にめどをつけた段階で身を捨ててほしいと申し上げ、首相と合意した」と、早期退陣で一致したとの考えを示した。

 また首相は、(1)民主党を壊さない(2)自民党政権に逆戻りさせない(3)復興基本法案の成立と2次補正の早期編成のめどをつける--ことについて鳩山氏と文書で合意したことを明らかにし、鳩山氏も不信任案への反対を呼び掛けた。鳩山氏の翻意で、民主党内の大量造反の動きは事実上、封じ込められた。

 ただ首相は代議士会で、具体的な時期には言及しなかった。そのため、鳩山氏が不信任案否決後、「(退陣が)夏では遅すぎる」と話したのに対し、岡田幹事長は「復興法案成立や2次補正編成と退陣は必ずしも直結しない」と指摘。首相退陣の時期が、党内対立の火種になる可能性が高い。【松尾良】

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