2011年6月1日 21時7分 更新:6月1日 21時45分
国土交通省は1日、東日本大震災の被災者や中型車以上の車種を対象に、東北地方を中心とした高速道路を無料化すると発表した。震災復興支援が目的で、20日からスタートする。09年3月から始めた「休日(土日・祝日)上限1000円」の割引制度と、全国50区間で実施していた無料化の社会実験は、20日午前0時で打ち切る。
無料化の対象は東日本高速道路会社が管理する道路で、福島県の白河インターチェンジ(IC)以北の東北道、水戸IC以北の常磐道、磐越道全線と、その他東北地方と一部新潟県にかかる道路。青森道、山形道の一部などは無料化実験打ち切り後も、新制度の無料化対象となる。
被災者対象の無料化は当面1年間の実施を予定。被災者は東京電力福島第1原発事故による避難者も含み、地元自治体が発行する罹災(りさい)証明書や被災証明書を料金所で提示すれば、全車種が無料となる。被災者が運転できず、同乗する場合も適用する。
また、被災者以外の一般利用者についても、復興物資などを運ぶトラックやバスなど中型車以上の車種に限って無料化する。実施期間は8月末までを予定している。
被災者は、対象地域外から高速道路に乗って対象地域内で降りる場合やその逆も、利用した区間はすべて無料とする。中型車以上の無料化もETC(自動料金収受システム)対応が整うまでは、同じ扱いとなる。いずれもパトカーなどと同じく料金を徴収しない車両として取り扱い、同省として無料化の予算は確保しない。
国交省は今回の無料化に続き、同じ対象地域で早ければ今夏から1年程度、一般利用についても全車種での無料化を実施することを検討しており、11年度第2次補正予算での財源確保を目指す。
「休日上限1000円」と無料化実験は、震災復旧・復興支援のため編成された11年度第1次補正予算の財源を捻出するため中止が決まっていた。
一方、休日割引や深夜割引、通勤割引など、高速道路会社が実施しているその他の割引制度は当面継続される。【三島健二】