岩手県雫石町の上空で全日空機と自衛隊機が衝突し、乗員乗客162人が死亡した「雫石事故」から40年の30日、同町の墜落現場近くにある「慰霊の森」で、慰霊祭が営まれた。参列者は改めて空の安全を誓った。
式典には、深谷政光雫石町長や全日空関係者のほか、犠牲となった静岡県富士市の団体旅行客の遺族ら約100人が出席。遺族会代表の小山和夫さん(68)が「事故を風化させないためにも次の世代の子どもたちに伝え、慰霊の森を空の安全を祈念する場所にできたらと思う」と述べた。
県内の高校に通う佐藤進さん(16)は初めて慰霊の森を訪れた。「震災もひどいが、飛行機同士がぶつかるなんて考えられない。忘れちゃいけない事故だ」と話した。
事故は1971年7月30日に発生し、富士市の団体客125人を含む162人が死亡。慰霊祭は2003年に33回忌の式典が行われたが、遺族の高齢化で遺族会のメンバーが減り、その後は規模を縮小して実施している。
[時事通信社]